IFRSの強制適用について、また判断を先送りしています。例えば、以下のようにロイターでも取り上げられています。

○焦点：ＩＦＲＳの強制適用、日本の判断は2013年以降に持ち越しへ

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89105B20121002

アメリカの様子を見つつ、判断を先送りしているようだ、というような推測も記事にはあります。また、関係者にはいろいろな思惑があると思いますが、完全にかけている視点があります。それは資金調達のチャンス拡大です。

上場している最大のメリットは直接金融ができること。それも上場時だけではないはずなんです。日本の市場に上場してもほとんど資金調達のチャンスがありません。よって、内部統制だ、IFRSだといっても企業側にメリットがないのです。

東証と大証が統合しましたが、彼等もマーケットの活性化をしていかなければ先がありません。ライバルは香港やシンガポールでしょう。独自で彼等に勝ってもらえるのが一番でしょうが、それが難しい場合には提携関係を結び、彼等の日本支社、という形になることもありうるかもしれません。

その場合に必要なのは世界中から資金調達できるチャンスを圧倒的に増やすこと。企業は、その期待値を最大化するとともに、会計基準や開示をグローバル・スタンダードにあわせることです。この前提が整えば、資金調達をする気がない企業は市場から退出すればよく、そのチャンスを求めたい企業はIFRSを導入したくない、云々というようなレベルの議論は起きないはずです。

会計のことを考えるだけでなく、ファイナンスのこともあわせて考えなければいけません。 

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