ロジカルシンキング、問題解決力の重要性については言うまでもない。

ロジカルシンキングは「事実」に基づいて徹底的に考えることにより、思い込みをなくそうという考え方の手法であって、ビジネスの世界では重宝されている。それだけ実践できているビジネスマンが少ない、ということなのだろう。

一方で問題解決の場面においては、ロジカルシンキングだけは足りない。情報を収集し、問題を特定したあとは、どうやってその問題をクリアしていくのか、アイディアをたくさん出す必要があり、これは良い意味で思いつきが大切である。

ということは今までにも十分に理解できていた。

あらためて思うのが、アナログの重要性。孫さんと堀さんの対談をみると事実を重ねてロジカルという点では堀さんに分があるようにみえた。

しかし、直感的に孫さんのいっていることに共感を覚える部分があった。

家庭の話であるが、家内が野菜の産地や水に非常に気をつかっている。水道水も自治体が検査をしているし、野菜も同様である。東北地方の復興のためには積極的にそういったものを消費しよう、ということにも共感できる。一方で政府が正しい情報を出していないので、信用できず不安、という声も大きい。これも一理ある。

しかし、家内の言葉で気づいたのが、「将来はどうなるかわからないから」という言葉だった。たしかに「事実」とは現在判明しているものであって、過去に同様の事象が生じた場合の因果関係が明確なものにすぎない。新しい事象については、将来の保証は誰にもできないわけだ。

したがって、こういった場合にはまずアナログで直感を重視することが改めて重要だと思う。そしてそれが人の共感を呼んで、大きな力になることもあるわけだ。例えば、即時原発全廃、というのは無理かもしれない。しかし大きな共感を呼べば、それが新しい事実を作ることもありうるわけだ。アポロ計画もケネディが言い出しとときには何をいっているんだ、過去の事実からすればロジカルでないと思われたかもしれない。未来を生み出すのはこういった一見ロジカルでないアナログなのだと改めて感じる。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。