東大が200億円を大学債で資金調達、研究開発に使うということです。

要するに借金200億円で、研究開発をするということです。返済期限は40年間、金利は国債＋0.18％で政府保証なし、ということです。

東大に対する国からの運営費交付金は15年間で100億円減り、これを補うために今後10年間で1,000億円の大学債を出す予定とのこと。現在の東大の収入は2,000億円程度。

返済減資は、寄付金を使った運用収益のほか、キャンパス未利用地の貸し出し、企業との共同研究で得た資金ということです。

、、、
メチャクチャ心配な条件です。

・寄付金を使った運用収益
・キャンパス未利用地の貸し出し

この２つはいつでもできます。今すぐにでも動けば、借り入れをする必要はないはずです。
ということは今回の融資は企業との共同研究で得た資金、ということになります。これもいきなり費用が必要なのではなく、企業側に要望があれば資金を引き出せるはずです。

ということは返済原資は絵に描いた餅であるということです。実際にほとんど利益は出ていません。

https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400144828.pdf

国立大学はあるあるなのですが、固定資産が大きいのです。都内の一等地に大規模キャンパスを構える東大は、固定資産が1兆2千億円、土地が9,000億円ほどあります。この原資は政府出資金1兆円です。要するに国が出したものです。最悪、これらの切り売りをすれば1,000億円程度の負債は返済できるでしょう。しかし、それは国からもらった資産の切り売りにすぎず、いつまでも続けることはできません。

借金をしたからには自らが稼ぐ、そうした意識変換が必要です。
ありあまる資産がありますから、危機感を教授陣全体で共有することも難しく、これは簡単なことではありません。

東大、切望した自主財源　初の大学債で200億円調達：日本経済新聞 https://t.co/NLgQvWtI7I

— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) November 12, 2020

 

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