ABCクッキングスタジオをドコモが売却すると報道されています。５１％の議決権をとるのに、２００億円程度で買収、今回も同程度で売却するということで、損失はほぼ出ない見込みです。またドコモは以前にらでぃっしゅぼーやも同様に売却、その後、転売しています。

買収はリスクの高いものであり、良い結果が出なかったことを責めるつもりもありませんし、事後評価など意味はありません。しかし、これらの買収はスケールがドコモにとっては小さすぎます。

買収金額の２００億円は巨額ですが、ドコモの２０１９年３月期の売上見込は４．８兆円、営業利益は９，９００億円です。金額が大きければ意味があるわけではありませんが、ドコモの将来を考えるのであれば、５，０００億円程度の投資は可能です。それが仮に大コケしても、年間の営業利益の半分であり、会社はビクともしません。その結果、当然兆単位の売上がみこめる先への投資をしていかないと全然スケールがあいません。２００億円程度ではドコモにとってみれば誤差の範囲で、このスケールのM&Aではドコモが大きく変わることはできないでしょう。

一方でこのディールに関わっている方の工数は相当ですし、２００億円の投資ですから、相当の神経もつかっているはずです。M&Aの専門家も社内外で相当使っていることでしょう。それらを考えても、どう考えてもスケールが小さすぎると思うのです。

ドコモ、ABCクッキングスタジオ売却　相乗効果薄く：日本経済新聞 https://t.co/0mjAGfWiqQ

— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) 2019年2月22日

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