富士ソフト争奪戦をKKRとベインキャピタルがやっているわけですが、先にTOBをしかけたKKRがTOBを2段階に分けるということです。主要株主である3Dとファラロンから買い取り、その後、2段階目のTOBで残りの株をベインと争うことになるのでしょう。3Dとファラロンからすれば、exitの目処が立っているのに、ベインが横入りしてきたおかげで、より高値で売却できる可能性があることは歓迎でしょうが、TOBが成立しないリスクもゼロではありません。またexitの期限が延びる可能性もあります。それを避けるために、KKRに先に売ってしまいたいというニーズがあるでしょう。一般株主は、どうせなら高く買ってくれる方に売りたいわけですから、ベインでもいいし、3Dとファラロンから3割強の株式を買い取った後のKKRに売ってもよいわけです。KKRとしては、全株をベインと価格競争するよりはコストメリットがあります。この報道が事実であれば、現状はKKRが優位に立っているといえるでしょう。

KKR and Bain Capital are battling over Fujisoft, with KKR, which initiated the TOB, deciding to divide the TOB into two stages. First, they will acquire shares from major shareholders 3D and Farallon, and then compete with Bain for the remaining shares in the second stage. For 3D and Farallon, even though the competition from Bain may result in a higher sale price, they face the risk that the TOB may not succeed, and the exit deadline could be extended. This may prompt them to sell to KKR first. General shareholders, on the other hand, would prefer to sell to whoever offers the highest price, whether Bain or KKR after purchasing shares from 3D and Farallon. For KKR, splitting the TOB allows for cost benefits compared to competing with Bain for all shares at once. If these reports are accurate, KKR currently holds the upper hand.

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。