セブンアンドアイがヨーカードーを分離したらどうなるか、という分析が日経新聞でとりあげられていました。

祖業であるイトーヨーカードを分離するかどうかは簡単な問題ではありませんし、誰がいくらで引き受けるのか、という論点もあります。

事業価値算定でよく使われる「ターミナルバリュー」というものがあります。
これは「ゴーイング・コンサーン」の考えに基づくもので、企業は永続する、という前提です。
会計のルールはこの「ゴーイング・コンサーン」に基づいて作られています。

実際に永久に、ということを定義することも難しいですし、さらに永続できるということを証明することも難しいです。

しかし、少なくとも５０年、１００年間というスパンで継続している企業はあるわけで、それの多くに共通しているのが、中身を入れ替えるということです。セブンアンドアイであれば、ヨーカードーをやめて、他の事業を始めることもあるということです。

中身をいれかえることによって、継続、成長できる企業には「ターミナルバリュー」相当の価値を見出すことはできます。

しかし、そうでない一事業だけを評価する場合には、それは設備投資のようなプロジェクトと同様に考えるほうがわかりやすいです。
設備には耐用年数があります。継続する場合には、取替をしないといけません。そこまでにどれだけ稼ぐか、耐用年数が３０年間であれば、その３０年間で評価をするのです。事業もほとんどの場合は、中身をいれかえて継続できる見込みがないわけで、その場合には、プロジェクト扱いとし、事業の耐用年数のなかで評価をするのが自然でしょう。

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