JTへ鳥居薬品の売却提案を１％未満保有株主リムが実行したということです。

JTは鳥居薬品を中心とする医薬事業、テーブルマークを中心とする加工食品事業もグループにもっています。
主力のタバコ事業と比較するとたしかに存在感がないといってよい状態です。

株主、とくにファンドとしては株主にもっと還元しろ、儲からないなら売って、配当するなり、自己株買いをするなり、株主への還元を厚くしろ、と言いたいことはわかります。

それを１％も議決権をもっていない株主に言いたい放題言われても困るので、会社が株主総会でとりあげるべき提案をできる株主はあらかじめ決められています。

１つは１％以上の議決権を持っている株主です。JTの場合には時価総額が５兆円以上ありますので、１％ということは５００億円以上の株を持っているということです。

もう１つは３００以上の議決権を持っているということです。JTの場合、１単元が１００ですから、３０，０００株持っていれば株主提案権を行使できるということになります。JTの株価が２，７００円で計算すると、８，１００万円の資金で提案権が行使できることになります。

今、JTは株式の保有期間（６ヶ月以上必要）などを含めて確認作業をしているのでしょう。株主の把握はすぐにできないことも多く、時間は多少かかるはずです。

JTにとっては厄介でしょうが、適正な権利を持っている株主に対しては、当然にきちんとした対応が求められます。

株主提案によるものなのか、そうでないものなのか、きっかけは何でもよいのですが、事業の継続の可否、売却を含む撤退、そうでなくて継続、という判断は経営判断の重要な要素ですので、これはこれとしてきっちりやっていかないといけない部分であることは間違いありません。

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