三菱電機内部での不正が続出しています。原因はいろいろあるでしょう。

当然、これは内部統制の強化につながるでしょう。しかし、内部統制には限界があります。たとえば共謀や経営トップ不正には機能しません。そして、内部統制の強化にはコストがかかり、ビジネスのスピードを減速させてしまいます。

不正が起きるのは、社員の目がサービスや顧客ではなく、中の誰かに向いていることが原因であることが多いです。

たとえば業績をよく見せるため、バレないなら手を抜いたほうが自分たちが楽になる、などです。

当然、顧客志向を忘れてはいけません。しかし、顧客も苦しく、支払いが悪い、条件が悪い、などなど現場にとって優良顧客ばかりではありません。そこをなんとかするのが経営のはずです。

具体的にいうと不採算顧客の把握、改善提案、モニタリング、そして条件交渉、駄目ならやめる、という判断です。一番重要なのは、「決断」です。

現場からこの顧客は駄目なので、やめたい、やめさせてくれ、という要望が出るのが一番よいのですが、それが難しければ経営者がその判断をしなければいけません。現場から遠ざかると、こうした情報を把握しづらくなります。

経営者は売上をあげろーーー、といって売上があがるならこんな楽な商売はありません。現場で一緒に社員と汗を流すことも重要ですが、それしかやらず不採算事業の業績を悪化させているだけでは、経営とはいえません。

たくさんありますが、やめる、を含めた「決断」がどれだけできるのか。内部統制の限界を超えていくには、経営者の決断力、そしてそれを支える情報が必要なのです。

三菱電機、不正「悪いと思わず」　管理職の権限見直しへ: 日本経済新聞 https://t.co/pYLmElsxFy

— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) May 25, 2022

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