ルネサスのIDT買収は、可能性と難易度が高い「跳ねる」タイプのM&A

ルネサスがIDTを買収すると報道されています。以下の日経の記事では、その割高さが述べられています。ルネサス発表の円換算ベースで、売上927億円、営業利益率25%のIDTを7,330億円で買収するわけです。売上の7倍で買収するわけですから、これは高い買い物であることは間違いありません。
当然、今の業績が続くようでは投資としては高掴みに終わってしまいます。当然、IDTが業績を伸ばすことが前提です。しかも2倍とか3倍では足りず、少なくとも5倍、5,000億円程度の見込みは必要でしょう。5,000億円で営業利益率25%(non GAAPベースとなっているので、会計上の数値より高い可能性があります)を維持すれば1,250億円の営業利益となりますから、7,000億円超の投資も十分に回収し、稼いでいけるはずです。
ルネサスはそのような算段を持っているはずですが、このように近い将来、買い手にとって売上数倍になるようなポテンシャルを持っている企業が、買収金額が「跳ねる」タイプの企業です。
自社を高く売りたい方は、買い手が「跳ねる」ポテンシャルを作ることがなにより大切なことになります。
ルネサス、割高な買収で勝負:日本経済新聞 https://t.co/ksSHJ9y0Kd
— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) 2018年9月11日

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