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トランプの交渉と相手の対応

トランプ関税については、おおむね決着がついてきました。
最初にとんでもない高い要求を突きつけておき、最終的にはそれほどでもない水準で合意に至るという手法ですが、相手との信頼関係を継続するには適切とは言えないやり方です。

関税に関しては、当初提示された法外な関税率からは下げる一方で、対米投資については莫大な金額を求め、その使い道は自分で決めるという、やりたい放題といっても過言ではない状況です。

交渉の当事者としては、そうした傾向を読み取り、まずは本題である関税率の引き下げに集中し、その代償として求められる1,000億ドル以上の投資については、1〜2年で完了するはずもなく、トランプ氏の任期を見極めながら、明らかに無駄であったり自国にとって不利と思われる投資を、どう回避するかという観点で対処することになるでしょう。

そもそも雑な交渉である以上、実行もまた雑に済ませられる方が、厳しい条件を突きつけられた側にとっては好都合です。細部を明文化せずに済むのであれば、それに越したことはありません。

相手に応じて対応方法を変える必要性はこれまで以上に高まっており、理屈やロジック、常識が通じない、すなわち非合理的な相手が増えていることの表れとも言えるでしょう。

The issue of Trump tariffs appears to be largely settled.
This is a typical strategy of throwing out an outrageous initial demand, only to settle at a more moderate level in the end. However, it is not an appropriate method for maintaining a trusting relationship with the counterpart.

Regarding the tariffs, while the initially extreme rates have been lowered, the U.S. is now demanding massive investments from Japan in return, with the Trump administration reserving the right to decide how that money is used. It’s fair to say that this approach borders on arbitrary.

For negotiators, the strategy is to focus on reducing the tariff rates—the main objective—while managing the follow-up demand of over \$100 billion in investments. Since these investments cannot realistically be completed within a year or two, the plan would be to monitor Trump’s term and look for ways to avoid investments that are clearly wasteful or unfavorable to Japan’s interests.

Given the rough nature of these negotiations, it is actually preferable for the implementing side if the execution remains vague and unstructured. If details are left off the written record, it becomes easier to avoid binding commitments.

The need to adapt our approach depending on the counterpart has become greater than ever. This reflects a growing number of negotiation partners who are not guided by reason, logic, or conventional norms—in short, partners who are fundamentally irrational.

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