M&A初心者の方が知っておくべき基本とM&Aの流れ(2017年12月4日改訂)
今日は、M&A初心者の方が知っておくべき常識についてお話をしていきます。これからM&Aを始める方に知っておいていただきたい内容について簡単にご説明します。
原理原則は簡単で、売り手は買い手のことを考えてください。
売り手の方ははじめての経験で不安なことも多いと思います。しかし、情報の出し惜しみをしたり、自分が分からない社内のことを放置したりすることは絶対に避けてください。
商品を売るときのことを考えてください。商品の情報提供をせずに、買ってくれる方はいらっしゃらないはずです。
買い手は売り手のことを考えてください。売り手の多くの方は本当のところ、売りたくないのです。儲かっている会社なら、出血をとめたいと思っていますし、儲かっている会社なら顧客や社員を心配しています。その売り手のことを少し考えて下さい。
個人事業でもあっても、売却実績があります。法人なのか個人なのかということは売却できるかどうかには関係はありません。個人事業でも売却実績がしっかりありますので、ご安心ください。
それよりも一番大切なことは、自分が引き継いだあと、どんな経営をするのか、できるのかを具体的にイメージできるがどうかが大切です。これができないと、リスクばかりが気になってしまい、ポジティブな発想ができません。リスクを詳細に調べたり、条件交渉をするのはそのあとで大丈夫です。まずはビジネスそのものをしっかり見るようにしてください。
情報はアドバイザーに守られますので、安心して情報を提供してください。ただし、事前に秘密保持契約を締結しないなど、やや?のつくアドバイザーには注意してください。弁護士、公認会計士、税理士などの国家資格保有のアドバイザーであれば、なお安心です。
よく、営業利益の何年分が売却金額の目安といわれますが、これはあくまでも目安です。これで計算された金額でどのくらいの期間で買収資金を回収できるのか、を考えて下さい。
飲食店やアプリ開発の会社では営業利益の2−3年分だと言われますが、この金額であれば、大体5年間くらいで投資金額が回収できます。買い手の立場にたって、そのくらいの回収期間が常識的なのか、そうでないのかを考えてください。
店舗をされている売り手さまで、店舗の場所がよいから、高く売れますよね、とおっしゃられることがありますが、場所がよいから高くはなりません。場所が良い=もうかっている、という算式であれば、当然、売却金額は高くなりますが、単に場所がよいだけでは売却金額が高くなることはありません。
売りやすいサイズですが、相手が個人事業やオーナー企業であれば30百万円くらい、上場会社等であれば100百万円くらいが売れやすいサイズです。
オーナー系ではそれほど資金を出せませんし、上場会社等であれば管理コストがかかりすぎるので、小規模な案件では管理コストを賄えなくなってしまうからです。
M&Aアドバイザーの多くは成功報酬です。売買が成立するまで報酬をいただかないわけです。皆さんにとって悪い話ではないと思います。よってアドバイザーは売れそうな案件から優先して動きます。儲かっている案件、売り手の方が情報や資料を迅速に出していただける先が優先されることは皆さんにも知っておいていただきたいと思います。
M&Aの流れについて簡単に説明します。詳細は上記リンク先のビデオで資料を使いつつ説明をしておりますので、気になる方はビデオもあわせてご覧ください。
1)まずはアドバイザーに相談します。
2)アドバイザーとの契約を締結します。秘密保持契約などきちんと契約するアドバイザーなのかどうか確認してください。
3)売り手の皆さんから資料、情報をいただいて提案資料を作成します。
4)買い手候補へ様々な情報を出す際に、皆さんに事前確認をします。これがネームクリアと呼ばれるものです。これをきちんとできるアドバイザーであれば信頼していただいて大丈夫です。
5)情報のやりとりの結果、前向きに話を進めようとなれば、オーナー経営者同士で面談を実施し、お互いの相性、考え方などにズレがないか確認します。
6)から9)までは形式的な部分も多いので、アドバイザーにお任せいただいて大丈夫です。
7)デュー・ディリジェンスは、契約前の最終段階に弁護士や公認会計士などの専門家に交渉の過程でやりとりした資料の正確性を含むチェックを受ける、最終チェックのようなものです。
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