地銀の統合が進んでいます。ふくおかフィナンシャルグループ（福岡市）と十八銀行（長崎市）の統合計画で、公取が待ったをかけているということです。

たしかに、金融機関が減ると、利用者にとって不利な条件を金融機関が押し付ける可能性もあり、その点を公取が慎重に検討しているということで、これには一理あるでしょう。しかし、記事によると金融機関の本業である融資事業は赤字続きということであり、これを何とかするには、経営統合でコストを削減することがまず金融機関としてはやるべきでしょう。

個人的には、私も貸金庫を借りていた都民銀行が統合し、その結果、私の利用している支店が統合、場所が不便になってしまったというデメリットも経験しました。地方では金融機関も少ないので、より不便を感じることも多いでしょう。しかし、この低金利の時代に、金融機関が固定費をこれ以上持ち続けれないことは明らかです。顧客もそれに対抗できるように準備、対応をしないといけないのでしょう。

お金を借りてくれる顧客が減っているのであれば、コスト削減をしなければなりません。融資以外の利益を増やさなければならないため、アドバイザリーサービスとして、資産運用などの相談にも乗っているはずです。悪く考えると金融商品への知識が十分でないお年寄りに金融商品を売り、手数料を稼ぐこともできるわけです。

この競争の中で生き残れるのはシンプルに顧客のためのサービスを徹底できる企業なのでしょう。そして顧客もそれを見極めることができる目を持つことも大切です。いまだに粉飾決算をしていることを知りながら、ダラダラ融資を続ける金融機関、それを見て見ぬふりをする会計事務所もまさかとは思いますが、まだまだ残っていると聞きます。こうした異常な状態はいつまでも続くはずがありません。地銀の統合は異常な状況を正常化させていくプロセスの１つのように見えます。

地銀の経営統合　生き残りへの有力な選択肢だ : 読売新聞
https://t.co/yeVYKCWFgZ

— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) 2018年4月26日

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。