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金融機関から融資を受け、ご自身3店舗目の美容室を買収で実現した渡部さまインタビュー

これまでスモールM&Aにおいて、金融機関から融資を受けて、その資金で買収をするということはなかなかありませんでした。ご自身の3店舗目の美容室を金融機関からの融資で実現した渡部さまのお話を伺いました。まだまだ事例は少ないものの、非常に貴重な体験を語っていただきました。買う方も大手ばかりではないということを少しでも多くの方に知っていただければと思います。

大原:皆さん、こんにちは。今日は美容サロンを借り入れで買収された渡部さんにお話を伺いたいと思います。渡部さん、よろしくお願いいたします。

渡部さん:よろしくお願いいたします。

大原:はじめに、事業の買収、事業の譲受を考えたきっかけについて教えて下さい。

渡部さん:はい。美容室を作ることは誰でもできるけれども、僕は「人」が全てと考えておりまして、今の時代、人手不足というのが美容業界でも深刻化している中、人がいての買収というのはかなり前から考えてはいたんですけれども、今回ネット検索を通して知ることができたので、そちらの方で決めました。

大原:お店を新たに作ることはお金があればできるけれども、美容師さん、スタイリストの方、アシスタントの方がいないと店というのは大きくなっていかない。それをある意味手っ取り早くしようと思えば、すでに動いているお店を買うこと、譲受けることを考えたということでよろしいでしょうか。

渡部さん:はい。それと、現在働いているということは、寄せ集めという形ではなくて、今も働いていて、この先も働いていくという人間関係だったりとかも重要視しました。

大原:人を重視されているということですよね。ありがとうございます。続いて、今回の事業の譲受をされた中で苦労されたことについてお話しいただけますでしょうか。

渡部さん:苦労したことは、ぶっちゃけ、銀行融資と不動産の契約でした。僕自身、金額的にも、今回のM&Aにあたり、借り入れするというのは決めていたんですけれども、その銀行の融資がなかなかおりずというか、銀行の方は貸すけれどもどうやって返してくれるの?っていうところを一番重要視するんですけれども、そこをしっかりプレゼンした結果、融資はおりました。でも、その期間がちょっと苦労したかなと感じています。不動産の方も同じく、今まで契約していたオーナーさんに代わって、僕が再契約という形になる時に、信用信頼をしてもらえるかというところが僕が一番気になっていたところだったんですけれども、不動産屋さんもとてもいい人で、話もわりとスムーズに進んだのでそこはよかったんですけれども、先ほどの融資のタイミングと不動産の契約のタイミングというところが、今回は一番苦労しました。

大原:金融機関で事業を譲り受ける、つまりM&A目的の融資というのは、3〜4年前だったらほとんどおりなかったんですよね。それを実際に引き出したというのは、渡部さんのプレゼン力とか熱意というものもあったと思うんですけれども、実際に手続き的に苦労しましたよね。

渡部さん:はい、苦労しました(笑)

大原:融資はできると言われてから手続きに苦労して、原因は金融機関がまだ慣れてないからなんじゃないかなと思うんですね。不動産の融資とか事業の運転資金の融資というのは彼らも慣れているので、決裁さえおりてしまえば自然に行くんだけれども、今回事業承継の融資をするということで、彼らも初めて、あるいは数回しかやられていないことだったのかなと思います。ただ、だんだんそこは緩和されていくのかなと思いますけれども、ヒヤヒヤもんでしたね。

渡部さん:はい、ヒヤヒヤもんでした(笑) でも、僕もすごくいい経験になりました。

大原:では、続いて、事業の譲受を決めるときに重視したこと、大切に考えていたことについて教えてください。

渡部さん:先ほども言ったんですけれども、最重要視は「人」ですね。やはり人を見て、一緒にやっていけるかどうかを重要視しました。数字ももちろん大切なんですけれども、その数字を作るのは結局「人」なので、その「人」と僕が思う将来のイメージ、ビジョンが共有できるかどうかというところをしっかり重要視しました。で、今回スタッフ一人一人と会って、それができるなと感じたので、そこで決めました。

大原:人をまず重視して、人を見た後に、渡部さんがこういうお店にしたいなとかイメージができて、このメンバーならできそうだというふうに感じられたということですね。で、実際に、譲受をする時にすごく大事なことというのは、自分がそのお店を始めたとしたら、どんなことをやっていこうということがイメージできることだと僕は思っているんですけれども、渡部さんは今回そのイメージができたわけじゃないですか。で、なんでできたんですか?あるいは、他のお店の譲受を検討されていて、もしイメージできなかったところがあるとすれば、今回譲り受けたお店との差って、何かありましたでしょうか。

渡部さん:スタッフ一人一人と話をした時に、人間味があるなというのは感じたんですけれども、美容を通して働いている上で、しっかりその価値というものがお金ではなくて美容を楽しんでいるということを感じましたし、もちろん労働条件とかもっと改善することはたくさんあるんですけれども、でもそれよりも美容を楽しんでいるということを話している中で感じられたので、コミュニケーションを取っていても、僕も美容師ですし、そういうところでしっかりコミュニケーションを取れているなということが一番感じられましたね。

大原:実際に今、譲受をされて、すでに経営を始められているわけですけれども、現状について差し支えない範囲で教えてください。

渡部さん:今ちょうど1ヶ月ぐらい経つんですけれども、正直赤にはなっていないと(笑)

大原:それは良かったですね。

渡部さん:はい(笑) でも、これから第一優先に考えているのは、スタッフの雇用環境ですね。その次に、お客様。どちらも一番なんですけれども、これからスタッフが長く働いていただくためには、しっかりそういうところを整理していかなければいけないですし、じゃあ何をかなえるのかとなった時に、スタッフ一人一人と面談をしたんですけれども、その中でスタッフ一人一人がかなえたいこと、やりたいこと、どういった形で働きたいですというのをしっかりコミュニケーション取れたので、あとはそこを経営者としてしっかりかなえられる環境を整えるというところにここからは全力を尽くしていきます。

大原:実際に譲受をして良かったことについて教えてください。

渡部さん:良かったことは、やはり今のスタッフと出会えたことだと思っています。あとはこれから未来に向かってやっていける仲間ができたということが良かったことです。

大原:やはりそういった意味で、事業の譲受、買収という視点でいうと、スピードもありますよね。このお店をゼロから作ろうと思うと、できなくはないかもしれないけど、何年かかるかわからないものが、もう既にきちんと動いている、チームとして動いている事業というものを譲受することができるというのが大きなポイントなのかなというふうに思います。で、逆に悪かったこと、今課題に思っていることがあれば教えてください。

渡部さん:課題に思っていることは、具体的にいうと、内装だったりとか細かいことになるんですけれども、そういったことは正直ゼロから作った方が自分のイメージの100%に近い形になるんですけれども、今現在ある店舗を買うという形になるので当然内装もそのまま譲り受けることになるんですけれども、そこはやはり好みがあるのかなと思います。でも、それは後からでも変えられるものなので、悪かったことではないですけれども、将来はもうちょっと変えてみようかなというプランはあります。

大原:自分の好みに変えていくというか、自分の考えでお客さんのためというか、スタッフの方の働きやすいような方向に変えていきたいということですね。

渡部さん:僕の好みというよりは、時代に合わせて、なおかつ、スタッフの働きやすい状態の環境にしていこうかなと思っています。

大原:最後に、これから買収あるいは、事業の譲受を考えられる方にアドバイス、メッセージがあればお願いします。

渡部さん:今回こういった形で初めて買収をしたのですけれども、買うのは「物」ではなくて、スタッフという「人」がついてきますし、同時にお客様もついてくる。そこをしっかりイメージした上で、自分自身のやりたいこと、将来のビジョンと共有できる状態であれば、僕は借り入れをしてでもやるべきだと感じました。

大原:渡部さん、これからもいい話があれば、また借り入れをしてでも、自己資金が増えていれば、それはそれでいいんですけれども、買収、譲受というのはしていきたいと思ってらっしゃるわけですね。是非その際は、またよろしくお願いいたします。

渡部さん:よろしくお願いいたします。

大原:渡部さん、今日は本当にありがとうございました。

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