決算書(PL、BS、CF)の読み方

5.損益計算書の重要項目とは?

 次に、PLの項目をあらためて確認をしておきたいなと思います。
 売上から順番にいきたいと思いますけれども、売上高というのは意味合いとして誰かに商品、製品、サービスを販売した金額。清涼飲料水、ペットボトル1本をどなたかお客さんに150円で販売したとしたら、その150円です。

 具体例としていうと、通常PLでは売上高となっているケースが多いのですけれども、会社によっては営業収益となっていることもありますので、売上高という項目がないからといってびっくりしないようにしていただきたいなと思います。

 次に、売上原価。売り上げを上げるために直接的に掛かった仕入れコストとか、製造コストだと思ってください。具体例として、売上原価とか、製造コストは製造原価と表現をします。

 売上総利益は、売上高から売上原価を控除したものです。粗利といわれることがあります。むしろ、ビジネスの現場では粗利というケースが多いのではないかと思いますので、粗利イコール売上総利益だと思っていただいて結構です。

 次に販売費、および一般管理費。販売費は販売に係るコストです。一般管理費は管理に係るコストです。これを二つ並べて表示しているので、販売費および一般管理費といっています。販売費は例えば、営業マンの人件費とか、広告宣伝費などが含まれます。一般管理費には管理部門の人件費とか、水道光熱費とか事務用品とか、役員報酬、こういったものが含まれるわけです。販管費と訳すことがあります。英語の略なんですけれども、SGAということもあります。人によって多少言い方が違うので、あまりビックリされないようにしていただきたいなと思います。販売費、一般管理費というのはすごく長いので、販管費と呼ばれることが多いのではないかと思います。

 次に営業利益。これは、先ほど申し上げたように本業の利益です。場合によっては、ここでマイナスになっていることもあります。それは、営業損失といいますけれども、本業で稼げなかったということです。

 次が、営業外損益。金融収支を含む、営業損益以外で経常的に、毎年、毎年継続して出てくるような損益のことです。具体論として言うと、支払利息、受取利息、受取配当金。先ほどの、清涼飲料水のビジネスで考えたときに出てきた、不動産の賃貸収入とか、不動産の賃貸原価、本業以外で何がしかの稼ぎがあったり、コストを掛けていったりという部分があるとすれば、営業外の損益の中に入ってくるということです。

 経常利益、マイナスの場合は、経常損失といいますけれども、本業のもうけに金融収支、副業などの収益費用というのを加減算したものが経常利益です。これは、けいつねと言う方が、それなりベテランというか、お年を召した方ですと、けいつねということがあるので、これも、経常と言われるときに、あまりビビらないようにしていただければいいかなと思います。

 このけいつね、経常利益に臨時、異常な原因によって発生する損益である、特別損益です。先ほどもご説明しましたけれども、減損損失、投資有価証券の売却損とか、たまにしか起きないようなものを加減算して税金等調整前当期純利益。税前利益ということが多いですので、こちらも一応、そんなものだと思っておいてください。

 法人税、住民税および事業税というのが負担すべき税金なんです。法人税等調整額というのは、全国会計という会系の適応によって、税金の金額を調整しているのですけれども、これは非常に難しい論点になりますので、皆さん、あまり検討されなくていいかなと思います。この法人税、住民税および事業税と法人税等調整額を合算して法人税費用と言ったりしますけれども、要するに、それだけうちの会社が負担していけばいいのだということを理解をしておいていただければいいかと思います。

 一つ飛ばして、税金も負担した後に、当期純利益というのがあるのですけれども、それは最終的です。この数値はとても重要です。いろいろあるのですけれども、一体幾ら稼いだのかと、最終結果ですので、これはとても重要です。 

 その前に、少数株主利益と損失というのがあって、これは、連結財務諸法でしか出てこないです。連結のPLでしか出てこないのです。グループの中に子会社とか関連会社を持っている場合なのですけれども、100パーセント保有している子会社だけしか持ってなかったら、これは出てこないです。

 例えばの例なのですけれども、ある子会社で利益を100億円稼ぎましたと。ですけれども、その会社の株は60パーセントしか持っていませんという会社が、これが、大企業だったらあり得るわけなのです。では、その100億、全部自分たちのものとして考えていいかというと、40パーセントは違う人が持っているわけですので、その40パーセントって、うちで勝手に使えないじゃないですか。うちの利益としてみてはまずいではないですかということで100億の40パーセントの40というのは、最後に引くのですね。うちのものじゃない、他の人たちのものだということで40を抜くわけです。なので、少数株主利益は、この場合、100億掛ける40パーセントで、40億なのですけれども、利益を引くのでマイナスなのです。少数株主利益と書いてあってもマイナスになりますので、そこは注意していただきたいなと思います。

 少数株主利益が多いというのは、どんな会社の場合かというと、グループ内の会社にすごく稼いでる会社があります。その会社は、自分の100パーセント子会社ではなくて、他にも結構、株主が居ますと。こういうような会社の場合に、少数株主利益というのはたくさん出てきます。

 例えば、NTTのグループなどは少数株主利益というのが出てきます。ドコモが子会社ですから、ドコモは上場していますので、50パーセント近く他の株主が持っているわけです。

 例えば、ソフトバンクがYahoo!を持っています。Yahoo!の場合40パーセントくらいしかソフトバンクが持っていませんので、Yahoo!で幾ら利益を出しても、60パーセントは他の株主が持っているということなので、どんと、PLの細部に少数株主利益として利益はマイナスされるケースがありますので、そういった会社を分析される際には注意をしていただけるといいのかなと思います。

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