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売上2兆円のシャイアーを武田薬品が7兆円で買収する理由を客観的に投資家が判断するために必要な新ルール

とうとう売上2兆円のシャイアーを武田が7兆円で買収する方向のようです。しかし、いつもながら関係者の口が軽く心配です。今日発表するものを1日早く報道してもほとんど意味がありません。インサイダー取引の原因をつくっているだけです。ちなみにインサイダー取引の取締はかなり厳しくなっていますから、インサイダー取引をしても罰則を受ける方が大半でしょう。根本的な原因は重要情報がポロポロ漏れる、この実態ではないでしょうか。

シャイアーの1−3月期の売上は4,200億円程度(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-04-26/P7SYLG6JTSEB01)、単純に4倍しても2兆円には届きません。それを7兆円で買うわけです。その為の借入れ、シャイアー自体の借入れの引き継ぎ、シャイアー自体もM&Aで成長してきた企業のため、統制がとれるのか、などリスクを心配する報道が目立っています。その結果、武田の株価も下がり続けているというのが現状です。

M&Aはリスクの塊ですから、リスクを避けるならやらなければよいわけです。生き残りをかけて武田がやるなら、否定はできませんし、嫌な株主は株を売ればよいわけで、極めて自然な流れでここまできています。

それにしても売上の3−4倍の金額を出して買収をするということは、少なくとも売上が10倍くらいになって、十二分に投資金額を回収できる、という算段があってのことだと思います。私は買収にはまず妄想が大事だと思っています。妄想で10倍、いや100倍にビジネスをスケールさせるイメージを経営者が持ち、イメージを語り、それをM&A部隊が叩いて実現可能性の高いプランにもっていく。そして、そのプランをベースに買収金額を弾くしかありません。武田がシャイアーを買収して今の売上を10倍以上にしようとしているのであれば、あるいは7兆円の投資を回収してあまりある利益を出すイメージを持っているのであれば、支持されてしかるべきです。

ただし、現在の制度ではこれは見えません。願わくは、上場企業の開示情報として、買収金額のベースとなった事業計画を公表すべきだと思います。それがあれば、その事業計画が実現可能なのか、そうでないのか、という視点で投資家は自身の意思決定ができます。のれんの減損の可能性を事前に予測するためにも有益な情報だと私は思います。

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