厚生年金基金の多くが積立不足で、解散を考えているという。

年金は非常に複雑であるが、国民年金を基本とする国が対策を立てている基礎年金の部分だけでは足りないので、企業に年金の積立を委託している。これが厚生年金。そして、さらにこれでは不足する部分を厚生年金基金として企業が運営しているわけだ。過去にはそれでも不足する部分を代行部分といって、企業が運営していた。

しかし、このモデルが通用していたのは、戦後、年長者が少なく、若い労働者が年金を受け取るのは将来の話であって、実際に年金を支給することはほとんどなく、労働者からお金を集まるお金が多額であったこと、そして、経済が右肩上がりであったため、ゆうちょであっても８％程度の利回りが安定して得られる時代だけだった。

その後、経済は右肩下がり、年金は受給者が増え、運用も当初の予定どおり進んでいない。要するに破綻状態なわけだ。安倍総理はこのブログでも触れたとおり、著書で年金は破綻しないといっている。しかし、それは支給額を限りなくゼロになる場合も含まれる。

国家が考えるべきはこの悲惨な状況を真摯に捉え、国民にわかりやすく共有し、対策をたてることのはずだ。しかし、多くの国民はこの事実を知らない。多くの事実は隠されてはいないが、わかりづらい。都合の悪いことを隠すだけではいつか破綻を招く。危ない状態に日本があり続けていることを知り、この問題解決のために皆が必死にならないといけないはずだ。

これをリードできるリーダーは間違いなく存在する。しかし、彼らは今のメインプレーヤーではない。いつ彼らがメインの舞台にでてくるのか、きっかけは誰もがこのままではどうしもようもないと分かる、大きな事件、事故になるだろう。本来はそんな事故が起きる前に解決したい問題だが、国民の多くが当事者意識を持てていない現状では避けようがないではないか。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

厚生年金基金、２９０基金が解散予定　９割積み立て不足 – 朝日新聞デジタル http://t.co/Gm0wxfyOFz

2015/02/15 06:35:02

 

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