リコーがすでに閉鎖している御殿場工場を再開させると報道されている。世間的には円安で国内に仕事が戻ってくるといわれているが、その実例としたいのだろう。

しかし、リコーのニュースリリースには、この件に関するお知らせはない。彼らにとって少なくとも経済的に重要な問題ではないということだろう。要するにきわめて限定された範囲での国内回帰、と考えるのが自然だ。

たしかに円高と中国を始めとする新興国での賃金高は問題だ。しかし、それで国内でやっていけるのかというとそう単純ではない。いったん海外に出てしまった工場は現地で部材の調達をする。これを日本にもってこようと思えば、円安のため、仕入れコストが増えてしまう。円安で円ベースの売上は増えるが、そう簡単ではないわけだ。

国内での生産、雇用が増えるのは喜ばしいことだが、このニュースを見て単純によかった、と喜んではいられない点には注意が必要だろう。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

リコー、御殿場の閉鎖工場再生　環境事業の拠点に　　：日本経済新聞 http://t.co/I1v1DKx7Qy

2015/01/14 05:27:41

 

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