マックスマーラの元役員が、返済見込みのない融資先に貸付をし、結果として会社に損害を与えたとして、逮捕されたと報道されている。そして融資先は破産、おそらくは運転資金に使ったか他の用途に使い込んでしまったのだろう。

このように役員（トップが関与している可能性もある）が関与する不正は防げない。なぜならば一定の融資、貸付の権限は経営の責任者である役員が最終決定させるしかない。もちろん、多額の融資は親会社の決裁が必要になる。たとえば、５百万円までの融資は子会社の役員で決められるが、それ以上は親会社の決裁が必要というルールになる。

子会社では５万円未満の少額融資を細かく実施すれば、社内のルールはいったん守っていることになる。金額が積み重なっていけば、異常に周辺も気付くがしばらくは発覚しない。今回もそのパターンだろう。

役員といえど、オーナー経営者でなければ、会社の金は他人の金。もちろん他人から預かっている金なわけだが、それを理解している人は少ない。オーナーは会社と自分の財布が一緒だ。会社の財産が減る＝自分の財産が減る。それだけにケチだし、まさかの自体に備える。会社に金がいっぱいあるのに配当しない、給与が増えないとただ不満をもっているだけではなく、会社の資金がなくなれば、自腹ででも補填をしなければならないオーナー経営者の立場、重要性をあらためて確認できる事件である。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

不正融資の疑い、元役員ら逮捕へ　高級ブランドグループ – 朝日新聞デジタル http://t.co/PzYGlzTHof

2014/05/22 06:24:58

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