政治資金収支報告書の監査をする際に、監査をする人間が監査対象となる議員に寄付をしていることに対し、厳正さが疑問という報道がされている。

なぜこんなことが起こるのか？この制度の詳細はここに詳しいが、リンク先の　P.5にあるように、制度として、監査対象となる議員に寄付をすることを禁止していない。したがって、批判されている行為はルール違反でないわけだ。

そんなルーズな監査が存在するのか、という疑問が湧いてくるだろうが、そもそもこの制度は監査ではない。領収書と会計記録をチェックすることを求めているだけだ。単純なチェックであり、これは厳密にいえば監査ではない。したがって、「監査」という用語を使うこと自体が、こうした的外れな指摘を産んでしまっている。

政治資金収支報告書の監査の管轄は上記リンクのURLからみても総務省であり、厳密な意味での監査を担当する公認会計士、監査法人を管轄する金融庁と管轄が異なる。縦割り行政の中で、省庁間の調整は行われなかったのが、こういった問題が生じる原因なのではないだろうか。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

監査人が議員側に寄付、12年報告書で16団体　「厳正さ疑問」　　：日本経済新聞 http://t.co/Kv8UyeudPI

2014/01/05 06:05:50

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