さて、「タヒチにいくために３０万円を貯める」という定量的な目標設定ができた。次に必要なこととして現状把握が必要だと先ほど述べた。企業にはバランスシート、損益計算書などがある。このうちでも現状を知るためにはバランスシートが重要だ。バランスシートには、企業の持っている資産、そして借金等を中心とした負債などがのっている。

損益計算書は１年間（あるいは四半期等の一定期間）の経営成績の結果、要するにいくらもうかったのか、損をしたのかを示す書類であるから、現状把握という視点からは、バランスシートが重要である。ここであえてバランスシートといっているのは最近、バランスシートといわれることが多いからで特別な意味はない。日本語では貸借対照表という。なぜそんな名前になっているかは、いわゆる会計の本に詳しく書かれているので、ここでは省略する。

個人の場合、どうすればよいのか？答えは簡単。作ってしまえばよいのである。ご存知のとおり、個人バランスシートを作らなければならないというルールは存在しない。よって作り方の公式説明書がないのである。しかし、心配はない。かえって余計なルールがないため自由に作れる。個人がバランスシートを作るとすれば、例えば以下のようなものになるだろう。

資産　１００
負債　１２０
資本　△２０

実際はもっと細かくなるが、それはあとに記載するとして、資本の部がマイナスになっている。これを債務超過というのであるが、実は多くの方が債務超過に陥っている可能性がある。債務超過とは、持っている資産よりも借入金等の将来、返済しなければならない負債のほうが多い状態である。これが続けば、企業であれば倒産する。上場企業であれば、倒産の前に上場廃止となる。それだけ危険な状態なのである。

まさか自分がそんな危険な状態であるとは多くの方が思っていないはずだ。あなたが債務超過であるかどうかということはまだ分からない。それを判定するためにこれから皆さんのバランスシートを作っていただこうと思う。

まずは簡単にバランスシートの構成要素についてみていこう。資産とは、要するに皆さんが持っておるものだ。あるいは敷金とか保険とか今は手元にキャッシュがないものの、将来、キャッシュを取り返すことができるものなどが該当する。

次に負債。負債はもっと分かりやすい。借金など将来、何かお金を払わなければならない義務があるものが該当する。

そして、資本の部だが、これは資産と負債の差額である。皆さんの余裕を示すものであると考えていただいてＯＫである。

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