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国債を国内で持てば安全なのか フランスと日本、同じ政治問題の違う表れ方

国債を国内で持てば安全なのか フランスと日本、同じ政治問題の違う表れ方

ウォール・ストリート・ジャーナルのジェームズ・マッキントッシュ氏は10月26日、フランスが世界的な金利上昇の最初の犠牲者になりつつあると論じました。フランスの問題は、債務が大きいことだけではありません。赤字を減らすために歳出を削るのか、税を増やすのか。その選択を政治が決められないことです。

日本も、政治の構造はフランスに似ています。歳出を増やす政策は掲げられても、財源の説明は曖昧になりがちです。2026年度の一般会計は、7月の補正予算後で総額約125.4兆円です。当初予算の税収見込みは約83.7兆円、公債金は当初予算の約29.6兆円に補正分約3.1兆円が加わり、約32.7兆円となりました。支出と税収の差を、国債で埋める構造が続いています。

債務問題が市場に表れる経路は、フランスと日本で違います。フランスはユーロを使っており、自国だけで通貨を発行できません。日本は円を発行できます。また、2026年6月末時点で、国債・財投債の保有に占める海外の割合は7.9%、日銀は46.7%でした。国庫短期証券を含めない数字です。海外投資家の売りによって政府の資金調達が直ちに難しくなる危険は、フランスより小さいと考えられます。

ただし、国内で国債を保有していても、金利上昇の負担はなくなりません。財務省によると、2026年6月末の普通国債残高は約1,110.9兆円です。この全額が借り換わり、平均金利が一律に1ポイント上がるという単純計算では、年間の利払いは約11.1兆円増えます。3ポイントなら約33.3兆円です。これは税収約83.7兆円の約4割に当たります。実際には既発債の金利は一度に変わらず、借り換えに伴って段階的に増えます。また、この計算は国債残高全体に金利上昇分を機械的に当てはめたもので、実際の利払費の増加額を示すものではありません。

金利を上げれば、借り換えが進むにつれて国の利払いが増えます。金利上昇を抑えれば、物価上昇に対して日本の金利が低い状態が続き、円で資産を持つ魅力が弱まると市場が判断するかもしれません。その場合、円安が進み、食料や燃料、原材料の輸入価格が上がります。日銀も、最近は円安による輸入価格上昇が国内価格に転嫁される動きが目立つと指摘しています。

賃金が物価に追いつかなければ、家計は食費や光熱費の増加分を、外食、旅行、衣料品、家電などの支出を減らして埋めます。企業は値上げできれば販売価格を上げ、できなければ利益を削ります。利益が減れば、賃上げや投資に回せるお金も減ります。政府が給付や補助を増やす場合も、財源を示さなければ、追加の国債発行につながります。

フランスでは、財政への疑念が国債利回りやドイツ国債との金利差に表れています。日本では、海外投資家による国債売りより先に、金利を上げにくい財政への疑念が、円安や輸入物価を通じて生活に表れる可能性があります。国内保有は危機の表れ方を変え、時間を稼ぐかもしれません。その時間に政治が歳出と財源の選択を決められるのか。それとも決めないまま、円の購買力が下がっていくのか。日本の債務問題は、そこに差し掛かっています。

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