ドコモがNTTの完全子会社化の理由は、ドコモが前期比でマイナス予算を出してきたこと、そして国際競争力が不十分、という理由だったという趣旨の記事が日経に掲載されています。

マイナス予算をだしてきた子会社に親会社が激怒、というのはどこの企業にでもあることでしょう。そして、子会社が困って根拠のない数値を積み上げる、結果実現しない、これもまた世の中で頻発していることです。

激怒するのはよいのですが、それでは何をすれば、業績があがるのか、具体的に提案がなければ何にもなりません。

ドコモの業績をあげるだけの新規事業を作るのは難しいです。ではM&Aで新規事業をやるのでしょうか。これまで100億円程度の買収をしてきましたが目覚ましい結果は出ていません。ドコモの規模では将来的には売上１兆円くらいは見込める事業でなければ、インパクトが薄いです。

そして国際競争力です。当然これも足りない。そもそも日本国有企業です。NTTも同様です。これまで何度かトライしてきましたが、これも芳しい結果はでていません。

NTTを批判しているわけではなく、それだけ難しいことをしようとしている、というのが正しいでしょう。
本腰をいれて国際競争力をグループ一体でやるなら、売上１兆円以上の効果が見込めるといえば、海外の同業を買収することになるでしょう。おそらく買収金額は兆単位になるでしょう。

そして、その対象となりうる企業は世界でそれほどないはずです。しかもNTTが買収できるとなれば、それから限られるはずです。それをNTTができるためのステップがドコモの完全子会社化であれば、これ以上のことはありません。

それとNTTでもM&Aは難しいものなわけです。そうでない企業や個人は死ぬほど準備をして、信頼できる相談ネットワークを作らないと成功はおぼつかないはずです。

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