レナウンがブランドを切り売りして、清算への目処がたったということです。本件は親会社からの債権回収ができずに、財務的にはそれほど毀損しきっていない状況での清算でした。

親会社の支援もなく、むしろ裏切られるかたちでの法的整理は本当に苦労が多かったと思います。関係者の皆様を直接存じ上げませんが、お見舞いを申し上げます。 レナウンはコロナ以前から業績悪化に苦しんでいました。しかし財務的には過去の蓄積が多かったですから、耐えられていました。しかし、親会社からの債権回収ができないという外的要因によりもう手がなくなってしまいました。相当厳しい環境のなかでは、現場のご苦労は相当なものがあるはずですが、かなり軟着陸できたのではないかと感じています。

こんなに苦しい状況でもレナウンは頑張りました。ブランドを少しでも守ろうと必死で動いた。

事業承継を考えている経営者は、第三者に事業を売却するということの意味、取引の流れ、買収企業は何を考えているのか、それにたいする準備は何が必要なのか、自分で考えて、自分で情報を集めているのでしょうか。それをせずに業者の手数料が高い、手数料が払えないから、国の支援がほしいと考えていないでしょうか。もちろん、コロナの影響下、国の支援が必要な企業が一定以上あることは間違いありません。そのサポート、利用を否定はしません。

会社を売るにせよ、買うにせよ、それは大変なことです。一生かけて作った事業を他人に託すわけです。きれいに整理して、彼らが経営しやすい形に準備をすべきではないでしょうか。経営者のプライドにかけて、こんな大切な仕事を専門家に丸投げしていてよいはずはありません。経営者のプライドにかけても、この大仕事をやりきってほしいと思います。

レナウン　切り売り、清算へ　一括譲渡模索も…業界の構造不況鮮明 https://t.co/QU8zATQoLz @SankeiBiz_jpより

— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) August 24, 2020

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