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高金利が続くと銀行が脆弱化する理由を考えてみると

世界的に高金利が続いています。スタグフレーション(景気停滞と物価上昇の同時進行)となると、銀行への影響はさらに大きくなると指摘しています。

金利上昇が激しくなると資金移動がおきます。株式など他の方法で運用している資金が流れ込みます。
その結果、すでに発行されている債券の時価が下がり、それで運用をしている金融機関の財政に大きな影響を与えることがあることは本誌でもお伝えしました。

https://ma-japan.info/archives/145371

そもそもですが、融資という制度は、元本を返済してもらい、さらに金利をとる制度です。
これが向いている事業が、成功確度が高く、さらに金融機関の立場からすると、金額も大きくなるプロジェクトファイナンスなどです。

具体的にいうと、需要がかなり見込まれる製品製造のための設備投資、インフラ投資などでしょう。
しかも回収の可能性が高いものに限ります。元本を回収しなければならないので、当然でしょう。

しかし、こうした案件がそれほど多くあるわけではありません。
すでに大規模インフラ投資が一段落している国、地域も多いですし、そうした投資が必要な場所には地政学リスクを含む、リスクが非常に大きいケースも目立ちます。

ざっくりいうと銀行のビジネスモデルの天井、限界が見えているとう状況なのでしょう。
高金利ということは金融機関にとって有利な環境のはずなのに、そんな金利で借りてくれる、また元本返済の確度の高い融資先が限られているということなのでしょう。そんななか、集めた資金を債券投資で運用していたりすれば、既発行債券の時価が下がり、損失を被るケースもでてくるわけで、銀行にとって本当に厳しい環境が現在、ということなのでしょう。

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