監査人の交代制のメリットとデメリット
金融庁が監査法人の交代制を検討しているようです。メリットとデメリットを提出するように指示がでていますが、私なりの考えを述べておきます。
メリットは、慣れ合いの関係がなくなることです。
デメリットは、多くの監査人が考えるのは、引継にかかるコストが高すぎるということでしょう。しかし、これは企業側がいつ、誰に見られてもよい体制を構築すればクリアできるはずです。
しかし、本格的に企業側が仕組んだ粉飾は見抜きにくくなります。たとえば東芝のような企業のビジネスを理解し、監査リスクを把握し、キーパーソンとコミュニケーションができるようになるには早くても3-5年間程度は監査を継続して担当しなければ無理です。その直後に監査人が変わってしまっては、監査人はビジネスモデル、キーパーソン、監査リスク(不正リスク含む)などを把握できたくらいでまたゼロから監査を実施することになります。
もう1点。競争がなくなります。これをやるのであれば、民間ではなく、官で同様のことをやるべきでしょう。競争がない産業に競争力や厳しさはついてこないはずです。
大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa
Reading:金融庁 監査法人の交代制を検討へ NHKニュース https://t.co/tOgI6HznFk
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