M&Aのハウツー

スターバックスが日本法人を米本社に990億円で売却する概要、背景

スターバックス日本法人をアメリカの本社に990億円で売却すると報道されている。
詳細はスターバックスのリリースに詳しい。細かいことを抜きにして、簡単にまとめると以下のような内容となっている。

スターバックスは公開買い付け(TOB)にて今回の買収をするが、大きくわけて2段階での株式買取を検討している。

第一段階は、同社の主要株主であるサザビーからスターバックスが39.52%を1株965円で買い取る。これは直近の時価よりも相当安く、公開買い付け(TOB)をするが、おそらくはサザビーしか申し込みをしないものと思われる。なお、スターバックスグループでも同様にスターバックス日本法人の株式を39.52%保有しており、この買い付けにより、80%弱の株式が米国本社に譲渡されることになる。

第二段階として、残りの20%弱を持つ株主に対して、公開買い付け(TOB)を実施する。買い付け価格は1,465円でこちらは直近の株価よりかなり高く金額を設定していると説明されている(なお、2014年9月25日の株価は1,461円)。

このように二段階の方式にしたのはビジネス・パートナーであるサザビーとは個別の買収交渉が可能であり、結果として時価よりも安く交渉ができたが、一般株主にはそのような対応ができないため、プレミアムをつけた金額でのTOBをすることになったのだろう。

また、コカ・コーラも日本でのビジネス・パートナーと会社を作り上げてきたが、日本国内のマーケットがシュリンクしてきており、彼らにとって虎の子の日本マーケットの業績を維持するため、米国本社が主導権をとりにきているケースというのは目につくようになっている。スタバのそのような流れを汲んでいるだろうし、この流れでいくとマクドナルドも米国本社が買収も含めて動いてくる可能性も少なくないだろう。

 

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