第一三共にみるM&Aは苦境を乗り切る処方箋なのか
韓国のメディアで、製薬会社のM&Aの成功例として、第一三共があげられている。同社はランバクシーの買収も実施しており、M&Aで規模を取りに行っていき実践した好例だろう。
記事にもあるように、製薬会社は大規模な研究開発投資が必要で、そのためには、規模を大きくし、少しでもリスク分散する必要がある。その点でいえば規模の経済が必要なことは間違いないだろう。こういった場合、M&Aは苦境を乗り切るための処方箋となりうる。
一方で、大規模な研究開発などの要因がない場合に、経営の苦しい企業同士がM&Aをして、苦境を必ずしも乗りきれるかというとそれは難しい。結局リストラしか処方箋がないことが多く、その後の成長戦略が描きにくいからだ。その場合にはM&A以前に各社でまずやるだけのことをやって、限界が来た段階で次の手段として、M&Aにより更に間接部門のリストラを進めるという方法がありうる。しかし、それにも限界があるわけで、リストラ目的だけでなく、成長戦略をM&A後にきっちりと描き切れないようであれば、その効果を長続きさせることは難しい。
大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa
8年ぶりに世界19位製薬会社に…日本の第一三共、処方は“M&A”(1) | Joongang Ilbo | 中央日報 http://t.co/e1Gko9ofo0
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