M&A

タイミングが悪かったソフトバンクによるパズドラのガンホー株の買付

ソフトバンクグループによるガンホーの買付のリリースがされた。詳細は以下のリリースに詳しい。

○ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
http://www.softbankmobile.co.jp/ja/design_set/data/news/press/2013/20130325_02/pdf/20130325_02.pdf

ガンホーについてはこのブログでも再三、述べていたように株価が急上昇している。本件についてはすでに分析済みのため、詳細は以下をご覧いただきたい。

○ガンホーの勢いがとまらない
http://blog.livedoor.jp/ohhara_cpa/archives/51951379.html

ここで、今回の買付の概要を上記のリリースに基づいて簡単にまとめておく。

  • もともとソフトバンクグループの持分法適用関連会社であるガンホーを連結対象の子会社にするために、株の買い増しをする。
  • ガンホーの主要株主は孫正義さんの弟の孫泰蔵さんのため、ここについては利害関係があり、かなり慎重な対応が必要であり、実際に問題ないように手配された。その説明のために上記リリースはかなりのページを割いている。
  • この4月1日にガンホーは株式分割を予定しており、発行済株式が10倍になる。よって1株あたりの価値が10分の1になる。
  • 公開買付額は1株あたり340,276円、買付予定株式数が73,400株(所有割合6.37%)、買付総額が約250億円の見込み。
  • 現状、この金額で孫泰蔵さんが代表社員を務めるアジアングルーヴから上記の申込みを受けていて、実行される見込み。
とこのような感じである。ガンホーはパズドラに代表されるように、オンラインゲームでの雄であり、今後、スマフォ、その先のインターネットビジネスを考えるソフトバンクにとっては、支配権をしっかり確保したいということでリーズナブルな取引といえる。

問題は価格であるが、ガンホーの株価は2013年3月25日の終値で4,350,000円をつけていることだ。これを分割後で計算しても、435,000円で上記の公開買付額340,276円と比較してかなり安い。

これは既存の株主にとっては不満の1つになるかもしれないが、実際には問題がない。なぜならば、これは一種の相対取引であって、売主であるアジアングルーヴが納得をしてソフトバンクグループに対して売却を決めたわけであって、いやなら申込をしなければよいだけだからだ。

一方でこの結果、ガンホーが上場廃止になるとこれは既存の株主にとって大きな問題ではあるが、上場は維持されるということなので、問題はない。

ここまでが形式的な問題。

実質として、これだけガンホーの株価が高騰している今、リリースをしたということはどうしても4月1日以降の新事業年度のスタートにあたって、ソフトバンクがガンホーを子会社にしておきたかったという内部事情があったものと思われる。それにしては、ガンホーの株価があがりすぎていて、ソフトバンクにとっては、やや今回の買付金額は割高といっていい。言い換えればタイミングが悪かったということだ。

もう一方、ガンホーの株主にとっては主要株主が現在の株価よりも大幅に安い金額で株を売ってしまったということは、ガンホーの株価が高すぎると主要株主自らが認めてしまった、と市場が判断をする可能性があることが問題として残る。そのような判断を市場がした場合、ガンホー株が一気に値下がりする可能性があることには注意をしておいたほうがよいだろう。そういった意味で、この取引はソフトバンクにとってもガンホーの株主にとっても、思った以上にガンホー株の価格が高騰しすぎてしまったことが原因となり、ややタイミングが悪かったと判断している。

 

 

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