パナソニックの株価が急落している。この大幅下落で時価総額が約１兆円となっている。以下のヤフーファイナンスによるとPBRが0.5となっている。

この状況について分析しておきたい。

◯ヤフーファイナンス
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=6752.T
＊＊＊以下、引用＊＊＊ 

＊＊＊引用、ここまで＊＊＊

すでにここで検討したように、パナソニックはリストラで営業利益は回復させているが、のれんの減損と繰延税金資産の取崩により、大幅な赤字決算となっている。

BSを確認しておく。

◯連結貸借対照表 パナソニック
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2012/10/jn121031-3/jn121031-3-6.pdf

純資産を見ると、1.2兆円弱あり、これには今後日本基準では包括利益として認識される年金債務調整額がすでに控除されている。この論点は難しいので、詳細は省くが、米国基準を採用しているパナソニックは日本基準を採用している企業と比較して、健全な決算をして、純資産を保守的にみているといってよい。また、今回の激しい決算の結果、パナソニックのBSはかなり軽くなり、2012年3月末と比較して、純資産も約半分になっている。この結果、現在のPBRは0.5ではなく、1を少し切るくらいになっている。

有利子負債が約1.5兆円あるが、9千億円程度が長期債務であり、手元キャッシュが4千億以上あることから、シャープのようにいきなり会社が傾くような財務状態ではない。

今後、営業利益をしっかり稼いでくれば、現在の株価はかなり割安といえる。しかし、問題はそれができるかであろう。この１年間のコスト削減をみても、さらに一層のリストラをかけてくると思われる。それで短期的な業績回復は見込める。パナソニックもテレビ、ソーラー、ケータイなど諸々構造不況業種を多く持っているが、稼ぎ頭はアプライアンスセグメント、要するに家電だ。新興国向けにはまだまだ家電の需要は当面、伸び続けるはず。血の滲むようなリストラのあと、本来に強みに特化し、新興国需要を取り込むことに全力をあげれば、この苦境を乗り越えられると思う。

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