2011年6月30日に企業会計審議会で配布されている自見大臣の提案が興味深いので共有させていただきます。

資料はこちら↓
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/siryou/soukai/20110630/10.pdf

これまでIFRS強制適用について議論されたことについて４点ほど記載されていますが、３点目、４点目に「連結先行」の見直し、単体開示の廃止といった制度に関わる論点について、と記載があるのに目がとまりました。

連結先行の見直しとなると単体と並行してIFRSの導入を検討することになりますが、これはかなりの先送りを見据えてものと思います。なぜなら単体を絡ませると包括利益を単体財務諸表でどう扱うか、さらにいえば分配可能利益との関係等を会社法等を含めて検討、規定する必要があり、相当以上時間がかかることが想定されるからです。包括利益はあくまでも分配可能利益とはいったん切り離して投資家への意思決定情報として開示すればよく、単体と分配可能利益との関係を持ち込む必要はありません。欧米各国の開示が連結のみであることも考慮すべきです。

最後に資料の４に、企業会計適用の前提となる多様な資本市場のあり方について、とありますが、これは私がすでにこのブログでとりあげているとおり、まずは世界中から資金調達ができる市場を整備することが利用者＝上場企業にとっては大前提ですから、真剣に、迅速に議論をすすめていただきたいと思います。

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