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(2020年5月21日改定)レナウンの民事再生は、下手すれば中国親会社の横領ともとられかねないし、ただしいジャッジだと思う

(2020年5月21日加筆しました)

レナウンが民事再生を申請した原因は8700万円だったということです。ほとんど銀行借入もなく、在庫も十分にあり、今のコロナの影響を考えれば融資が受けれないことはなかったのだと思います。しかし、親会社が金を返さず、2020年3月末で170億円の負債のうち50億円以上を占める退職金の原資もだいぶ毀損しているはずですが、これ以上減らすわけにはいかない、という現場の必死の判断なのでしょう。親会社も無い袖はふれないはずですが、放置するだけではなく、もう少し誠意のある対応、具体的には自主廃業、その際に商標を含むブランドなどの売却をすべきだったと思います。

中国の親会社だから駄目なんだ、という意見も多いでしょうが、個別事情を知らないのでその判断はできません。しかし、誰であれ、人間として正しいやり方を、厳しいですがやっていってほしいとは感じます。自分も厳しいですが、頑張っていきます。

 

(加筆はここまで)

レナウンが民事再生ということで、アパレルはやっぱり厳しいな、ということになっています。

↓これがレナウンからのリリースです。
https://www.renown.com/sp/ir/release/2020/l2h587000000573c-att/pdf_ir200515.pdf

業績悪化に伴い、財務が厳しくなっていることに加え、親会社から売掛金が入金されない、ということです。昨年度末にも53億円の貸倒引当金を設定したので、赤字が増大した。

さらに新型コロナの影響もあり、業績悪化、資金調達や売掛金の回収も進まず、今回の民事再生申請にいたった。

ざっくりまとめるとこんな背景ということです。 それでどれだけ財務が傷んでいるのか、直近の決算は昨年12月末なので、直近はより悪化しているはずですが、見ておきましょう。有価証券報告書です。

https://www.renown.com/sp/ir/securities/201916/l2h5870000000x6v-att/pdf_ir200403.pdf

ここから引用元は上記の有価証券報告書です。

業績はたしかに悲惨です。5年間で、売上が700億円から500億円に減少しています。おそらく足元はもっと悲惨な状態のはずで、アパレル業界全体も厳しい環境であることを考えても、今回、破綻になってしまったというのは残念ですが、理解できます。

しかし、バランスシートを見ると、これだけの業績悪化している企業にもかかわらず借入金が少ないです。25億円いかないくらいです。在庫が200億円、売上債権が130億円ある会社としては非常に少ないです。おそらくここから回収不能債権が増えているはずですが、いますぐ法的整理が必要とは思えません。

売上債権も回収が難しいでしょうが、商品はある程度さばけるでしょうし、固定資産はほとんど償却されています。債務で大きいのが退職給付債務で50億円以上あります。今、どれだけ財務が傷んでいるかによりますが、これを満額出せるか、重要なポイントとなりますが、自分で解散、清算できるレベルです。その中で50億円計上されている商標権などをどの程度で売却できるのか、が重要になってくるはずです。

なぜそうしないのか。解散の決定には株主総会の決議が必要です。親会社が自分たちが金を返せないで解散する、なんては面子も許さないでしょうし、道義も通りません。したがって、彼らがとぼけているのでしょう。そんななか、この状態を続けていれば資産が毀損しつづけ本来払わなければならない退職金も払えなくなる、今、破綻させないと、より社員が苦しむ、ということで苦肉の策で民事再生の申請をし、外部の力を借りて実質解散を図っているのかもしれません。

本業が厳しい子会社への債務を返さず、上場会社であるレナウンを潰すことになれば、親会社である山東如意科技集団もただではすまないはずです。この状況が続けば、事実上山東如意科技集団による横領とも判断されかねません。それだけ同社も厳しいということなのかもしれませんが、結構大きな問題をはらんでいる可能性があるように見えます。

***以下、引用***

***引用、ここまで****

 

 

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