ヴィトンの持株会社、LVMHがティファニーの買収提案をしているということです。

買収金額は日本円で約１兆５千億円ということです。ティファニーは上場企業で株価がありますから、買収しようと思えば一定以上のプレミアムをつける必要がありますので、この金額はある程度所与の条件といってよいでしょう。

記事によると、ティファニーの売上が４７００億円ということです。ヤフーファイナンス（https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/detail/TIF?d=1y）、株価が129.69円でのPERが２７倍ということです。ざっくり計算すると６００億円程度の利益の会社です。

LVMHはモールを運営し、広告枠を一括で買取り、参加のブランドの広告宣伝をコストを下げ、一気に拡散していきます。おそらく利益率は改善するでしょう。現時点で売上４７００億円で６００億円の利益ですから、利益率が１２％、これが仮に２０％まであがるとすると、９４０億円の利益となります。買収金額が１兆５千億円であれば、１６年間で回収できることになります。利益率を８％あげるのは相当大変ではありますが、考えられないレベルの買収金額ではありません。

LVMHが運営をすれば、広告宣伝費が削減されるでしょうから、間違いなく利益率は良化するはずです。具体的な数値もすでに見えているでしょう。

これが買い手で圧倒的に経営力がある場合の一例です。M&Aを真剣に考えているかたには非常に参考になる事例だと思います。

ルイ・ヴィトン傘下に持つＬＶＭＨがティファニー買収の交渉 | NHKニュース https://t.co/mLHUc9Z1ON

— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) October 28, 2019

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