【ビデオ】東芝不適切会計問題

この問題は本当にシリアスな問題ですよ。

証券市場にとってもそうだし、監査業界に関しても非常に大きな問題であって途中で言いましたけれども、現時点で僕が想定している監査に関する問題に関しては、「大きな問題はなかった」となると思うんですよ。外れたらごめんなさい。なぜかというと、新日本監査法人は決められたことはやっていて、それが文章の形で残っているはずだからです。細かいところを見れば、多少の問題はあるのかもしれないけれど、大きな問題はなかったと思ってます。

新日本監査法人という監査法人は、日本最大手の監査法人でこの監査法人は、日本を代表する東芝の監査をいい加減にやっていたと僕は思えない。それは調べてみないとわからないし、今調べているので
近々結果は出ると思いますけれども、それは決して 悪すぎちゃうんじゃないかという 懸念は晴れない。仮に、これからの調査の結果、新日本監査法人の監査の結果は問題なかったとなってほしいと 僕は思っているんですけども。だとしても、このまま監査を続けていっていいのか というのとはぜんぜん違う問題だと思うんです。きっちりと文章に残す。やることをやった。ということを証拠としてとっておくというのは専門家としては極めて当然のことだと思います。でも、それだけじゃダメなんです。それだけではこう言った問題は起きるんです。

粉飾の問題というのは、これからも増えて行くと思います。それを防ぐためには、1つめに「粉飾に関わった人の厳罰」。それは僕たちがどうにかできる問題ではないけれども、そういう仕組み/社会にしてほしい。ということ。2つめに僕ら(監査人が)ビジネスの実態とか、「やっぱりおかしいのではないか?」という問題に気がつくこと。各人が気が付いて追求していくことになっていってほしい。そのような会計士だらけになっていけば「こんなことやれば、バレますよ。」って言える会計士だらけになるので、いい意味で、会社との緊張関係になっていく。

社会でトップ主導で起きた粉飾決算は 社内で防ぐことはできないやれるとしても 社員が辞めるだけです。社員が一人二人辞めるだけ。社員が数人やめたところで、東芝のような大きな会社は何も変わらない。
トップ主導の粉飾を防ぐことはできない。だったら、やっぱり外部が気がつくことですよね。結局そうやって、社内にいろんな問題を抱えたまま、心ある人が辞めていく。その後どっかで誰かが密告するんです。

それがきっかけとなって、こう言った問題は発覚するんです。東芝はどうだったかわかりませんけれども。こう言ったケースが多いです。みんな不満がたまっているけれども文句を言ったら、会社に飛ばされるとか。
辞めなきゃいけなくなってしまうかもしれない。まわりは皆、思っているけど自分だけ騒いだとしたら、自分が辞めさせられるだけ。と、いう考えになりがち。ある程度はやむを得ないと思ってる。でも、外の人間がそういったところに気が付いて大問題にするというよりも表に出る前にチェックが入ってこういう問題を撲滅するというのが本来の正しいやり方なんじゃないかな?

それがお互いの、監査を受けている会社と監査法人との「信頼関係」であって「緊張関係」であるんじゃないかな?僕らがやらなきゃいけないのは今決められていることをきっちりやるというのは当たり前なんだけれども。チェックリストを埋めるという事だけではなくて、この数字はおかしいんじゃないの?と、いう事を感じて、それを徹底的に追求すること。「これだったら道義的ですね。」「これだったらまだまだ、納得できませんね。筋が通ってませんね」って。

それってロジカルってことなんだよね。理屈が通っているという事なんだよね。しかも証拠もそろっているという事なんだよね。と、いう事に会計士が慣れてなさすぎ。情報を集めて、結論を出してそれに自分の仮説を合わせてみるっていう言葉にすると簡単なんだけど結構難しいんだよね。それをしてみるっていうのはロジカルシンキングという考え方How to logical thinking.というものを学ぶと、いうことと、あと、インプットしておく事。いろんなことを知っていればいるほど気がつくんだから。

東芝に関することをよく知っているとか。東芝の監査をやっていれば当然だよね。東芝のやっているビジネスの事に興味を持って、他の会社であっても、他の国であってもそういう事をよく見ている。あと、ついでに言うと現場をよく見ている現場を見るというのは、ただ見ているだけではなくて現場に妙な動きがあれば、それに気がつかないと。現場を見ている意味はない。そいうところに気をつけて、やっていかなければいけないな。と。

あと、今回の勉強会に関してはみなさん、東洋経済に頼りすぎです。(一同笑)東洋経済もいいと思うんだけれど、原文読まないと。報告書がでているんだから。今回の報告書、力作なので全文は難しいかと思うんだけど要約版あるんだから。要約版は三十何ページだったと思うんだけど。それはちゃんと見ておかないと。そっからちゃんとネタを出してほしい。さっきのキャリーオーバーのコツもあるから。報告書のなかに。元ネタが。東洋経済だけで書けるわけないんだから。彼らもあれを見て 描いてるわけだから。

原文にあたるという事はこの仕事をやっていくという意味であればこういう調査をしなければならない場合はぜひ読んでいただきたい。わからないところがあれば、こういう機会を持って私に質問していただきたい。そういう意味では参加者がセグメントのみょーなところを発見したのは結果的には合っていたんですがなかなかいい視点だったと思います。

退職給付の件について割引率があやしいという指摘があったけどおそらくギリギリセーフだと思う。それが本当にギリギリセーフだっていうのは今日、ちょっと調べればある程度わかった事だし、監査をやっている人は、ちゃんと綿密なデータをとって証拠を残しているはずなのでそこで大きな問題が起こる事はないと思う。

それもちゃんと一次情報に当たらないと。僕らは有報をみて、有報でちゃんとなっているというのを確認してなんでだろう?って。あの割引率に関しては直近のリスクフリーレートになっているんだから国債はどうなっているかをしらべて国債はあんまり変わっていない って事になってたら安定適格 AAA以上の 社債であれば採用できるはず。そこの環境はどうなっているか調べれば0.3から0.5くらいのプレミアムをつけなければ発行できない状況になっていたのでそこを使っていたのではないか?とわかった。全部 基本一次情報にあたって理屈を持って考えればわかるはずなので。

後入れ粉飾決算をレビューするのは大事だけどいつもこういう事をやるわけではないので何をするにしてもそのアプローチつかえると思いますけど。

毎回の事ですけどぜひ参考にしていただければと思います。

以上です。

 
【ビデオ】SOAP勉強会の様子