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東芝決算にかかる監査人の責任と改善策。問題は形式超重視だ。

東芝の第三者委員会の報告書が公表された。

http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20150721_1.pdf

300ページの大ボリュームだ。論点は昨日公表された要約版の詳細が記載されている。要約版がそれだけまとまっていたということだろう。

すでに色々な媒体で内容については吟味がされているが、ここでは監査人の責任について述べたい。郷原先生はそのブログで、第三者委員会報告書について以下のとおり監査人に大甘だと批判されている。

この点について第三者委員会報告書では、会計監査人の責任を問うことが調査の目的でないとしている。第三者委員会は法的なものではないため、何をターゲットにしていたのかがポイントとなる。スコープとして監査人の評価を外していれば、ここで監査人の評価がされないのはやむを得ない。

もちろん、これだけの問題が生じている中で、監査人の責任の有無を調査しないわけにはいかない。日本公認会計士協会がいち早く調査をスタートするとしているし、当然、金融庁は動くだろう。その結果をまずは待ちたい。

一方で、その公認会計士協会、金融庁は普段どんなチェックをしているのか、彼らの監督責任はどうなっているのか、という疑問もあるはずだ。実際にはかなり厳しくやっている。しかし、こういった規制が強くなるとありがちなのだが、チェックリスト方式の細かい形式チェックになってしまっているのだ。

個々の監査業務にはかなりの判断が含まれる。この判断を評価するのは難しいので、監査基準等で決められた手続を実施しているのか、それが文書として残っているのか、という点にフォーカスしてチェックがされる。これが時間を経過すると、そうしたチェックをパスするための文書化が業務の中心となる。その業務をいくらチェックしても、きちんと業務はやっている、という結論しかでない。

問題は形式は当然として、どんな判断をしたのか、のはずだ。これは規制だけで解決できない問題だ。どれだけビジネスに興味があって、会社独自の基準ではなく、客観的な方法、考え方、情報の整理の仕方、責任の区分などを配慮して進めていく必要がある。そこは形式ではなく実質判断が中心となる。規制が強くなるとこうした判断をする時間がなくなる、また判断をしても形式を重視する主要メンバーにつぶされてしまい、もう面倒になって、形式だけやっておこう、というように多くの監査人がなってしまっているのが本質的な問題だろう。この解決には規制ではなく、個々の監査人のどれだけ学習し、実践を積み、自分で考えて、責任をとっていく、というキツイ流れを経験していくべきだ。かつては大手でもこういった経験が普通にできた。今はそんな話は殆ど聞かない。

監査人は名前ではなく、法人ではなく、誰が担当するのか、という点をもっと重視すべきで、そのためには個々の監査人、公認会計士の情報開示も充実する必要があるだろう。もちろん、最大の問題は監査人、会計士が個々の力を磨き上げていくことだ。私達はプロなのだから。
 

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