オリックスがカタール投資庁と共同で、日本向けの1兆円規模のファンドを組成したとのことです。この1兆円には負債も含まれるようですが、巨額の外資ファンド業務を日本企業が主導的に担うというのは非常に意義深い動きです。

近年、外資による日本企業への投資は急速に進展しており、KKR、ベインキャピタル、ブラックストーン、カーライルなど、海外大手ファンドによる直接投資が目立っています。その一方で、日本の金融機関や運用会社の存在感は限定的です。とはいえ、彼ら外資系ファンドが取り扱う案件は投資効率が高く、魅力的なものが多いという現実もあります。しかし、いずれそうした優良案件も枯渇していくでしょう。

今回のオリックスとカタール投資庁によるファンドでは、時価総額300億円以上の企業が投資対象とされており、主に中堅・中小の上場企業がターゲットとなりそうです。このセグメントには、収益環境が厳しく、財務は健全でも明確な成長戦略を描けていない企業も多く、決して容易な市場ではありません。だからこそ、日系企業の関与が求められ、そのパートナーとしてオリックスが選ばれたという点に大きな意味があります。

Orix has established a ¥1 trillion Japan-focused fund in partnership with the Qatar Investment Authority. The ¥1 trillion figure includes debt, but it is still highly significant that a Japanese company is taking the lead in managing such a large-scale foreign investment fund.

In recent years, foreign investment in Japanese companies has accelerated, with major global private equity firms such as KKR, Bain Capital, Blackstone, and Carlyle actively making direct investments. Meanwhile, the presence of Japanese financial institutions and asset managers remains relatively limited. It’s true that the deals handled by these global funds tend to be highly efficient and attractive from an investment standpoint. However, the pool of such lucrative opportunities will inevitably shrink over time.

The new Orix–QIA fund targets companies with market capitalizations of over ¥30 billion, focusing primarily on mid-sized and smaller listed firms. Many companies in this segment face challenging profitability, and while their financial positions may be sound, they often lack a clear growth strategy. It’s not an easy market to navigate. That is precisely why Japanese participation is important—and why Orix being chosen as the partner carries considerable significance.

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