【ビデオ】シャープとジャパンディスプレイの分析

と、いうことで終了の時間が近づいておりますが。また、ビデオでは撮れないことを情報交換という形でしましたが、途中でも言ったように、ジャパンディスプレイという会社は各々の会社が規模の経済を取れずに、本当は規模の経済を追求していかなきゃいけないビジネスであるにもかかわらず、各社がバラバラにやってしまって、やっぱり赤字でどうにもならなくなってしまったので、国も一枚噛んで、合併というか統合して規模の経済を取っていくということにしたんです。
一方SHARPでもあって、SHARPも一緒に統合できればよかったんだろうけど、何かしらの理由でできなかった。この先もしかして何かしらの原因で、統合することがあるかもしれないけど。せめてSHARPも一緒になってくれば、その上のSAMSUNGとかいったところと、ある程度勝負できるような企業”サイズ”にはなるよね。
そうはいってもジャパンディスプレイの元々の出身母体の国内拠点は相当残っていますので、採算の構造は良くないなずなんですよね。かつ、この業界の中でトップシェアを取れていないので、ちょっとマーケットが悪くなってくると、トップはなんとか利益を取れていたとしても、2位・3位・4位・5位・6位といくに従って業績は悪化する。
ということで、SHARPは一時期復活したのかな?と見えるが、結果として今相当きつい状況になっていて、単体債務超過だし、連結でいっても純資産比率1.5%ほどになってしまっているよ、と。

結構そういうトップシェアを取りにいくのって日本って下手じゃないですか。他のもので事例をあげるとなると「交通系カード」。
今は全部使えるようになっているけれども、あのようなものは事前にSuicaかEdyとか、どっかがまとめて開発してしまえば、あんな面倒くさいことをする必要性はなかった。
どういう面倒くさいことをしたのかというと、バラバラじゃないですか?みんなバラバラにつかって地域限定カードのようなものを作ったんですよ。そのため、システムがバラバラなんです。だから日本全国相互利用できるまでに相当な時間がかかったんです。
表には出してないけど、各社交通系に落とし込むと小さいけど、各社相当赤字だと思います。
ものすごい投資をしたけれども、投資回収ができていない。
ユーザーからしてみれば全国どこでも使えるようになったので便利にはなった。その中で表には出ない屍がたくさんあったんだよね。
結局あれこそ誰かリーダーシップを取ってやるか、初めからインフラを作るつもりでやればよかった。まぁ、Edyがやればよかったんだよね。つまりSONY。
SONYがあれをやればよかった。昔のSONYだったらできたんじゃないかな?と思う。
要するにあのカードを作っているのはSONYだからね。あのハードの方。
でも、システムは作らなかった。システムも作っていればSONYはめちゃくちゃ儲かっていたはずだし、各社も余計な投資をする必要性はなかった。
SONYのカードを使ってSuicaやPASMOを発行させて貰えばよかったんだよね。
ただ、royaltyはSONYにめちゃくちゃ払うことになるけれども。
そういうインフラを作るか、今あるインフラをうまく活用するというビジネスモデルもある。
その良い例として、セブン銀行。
セブン銀行は今ある銀行のネットワークを使って、場所はセブンイレブンの中に作っている。ATMを設置している。あのATMは銀行からお金を取っているんだよね。皆さんは使うときに108円とか216円とか払っているだけかもしれませんが、皆さんが持っている口座の銀行から手数料を取っているんです。
なんで銀行はそんな手数料なんて、しかもとてつもなく高額の手数料なんて払わなきゃいけないのかというと、今時、セブン銀行ATMで使えない銀行口座、みなさん作らないでしょ?持たないだろうし、持っていたとしても変更するよね?と、いうことでやらざるを得ない。インフラをセブン銀行に取られちゃってるんです。
売り上げは小さいけれど、とてつもなく利益率はいいんですよね。

もう一個あげると、イオン銀行。イオン銀行も利益率が良いんです。
イオン本体は、皆さんご存知だと思うんですが、ほとんど不動産のテナント収入です。
でも金融はすごいんです。イオン銀行ってとてもお金を貸しているんですよね。
預金を預かって、それを融資しているんです。どこに融資しているのかはわからないのですが。収益性はとてつもなく良いんです。

インフラをガッツリ取りに行くか、ニッチなとこを攻めていくしかないと、初めから決断してやって行かないと、なんとなくの競争だと勝てないんだと思うんです。
こういうのはすごい優秀な人たちが、すごい一生懸命にやっているビジネスに違いないんです。それでも勝てないのは最初からやり方を間違えていたとしか思えない。
自分たちが商売をやる上で、また自分たちのお客様がどんな商売をしていくかという話を考える上で、参考になるような良い事例じゃなかったのかなと思います。

毎回のことだけど、数字見ていると意外なことがあるよね。
例えば、SHARPの単体が債務超過だったとか。連結純損益率1.5%だったりとか。意外と3兆円以上の売り上げがあったとか。ジャパンディスプレイもアイルランド宛の売り上げが30%あったとか。公表されているんだけれども、よく知らない。
こういうことを知っていることによって、ジャパンディスプレイの売り上げの30%超がアイルランドだったと知っていても1円にもならないけれども、こういうネタが少しでもあつまってくると、お客様の数字を分析しなくてはいけないときや、また何かやらなきゃいけないときのストックになると思うんだよね。
こういうのを続けていって、100とか200とか300とか、持っていると自分の武器になるじゃないですか。
違う業界のことって結構参考になるじゃないですか。
違う業界で、しかもスピードがとても早い業界のことが、きっとスピードが遅い業界にも同じことが発生するんですよ。そういう意味で「歴史は回る」いうことで、こういったサンプルを増やしていきたいと思っております。

さっきの話で、イオン銀行は日本新光銀行を買収してたんだね。
しかも住宅ローンの貸付をやっているのか。住宅ローンはオートローンほどではないが、美味しいんだよね。担保をがっつり抑えているから。返せなかったら売ってしまえば良いから。
そこの管理さえ間違えなければ、調達金利はとてつもなく低いので、それは大きいよ。
ただ、オートローンには勝てないんだよね。
トヨタやホンダのオートローンは5%とか6%取っているので、儲かるんだよね。勝てない。

次回もよろしくお願い致します。

【ビデオ】SOAP勉強会の様子