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専任契約はお客様のためか(2019年5月22日改訂版)

こんにちは。

今日は「専任契約はお客様のためか」というテーマでお話をしていきたいと思います。

(2019年5月22日追記)

専任契約が決してお客さまのためではない、というのは以下にも繰り返し述べていることです。しかし、専任契約そのものがなくならないのは、情報の非対称性が原因です。どんな相手が買ってくれるのか皆目検討がつかないという状況では、大手の仲介会社の言うことだけを信じて、そこが専任条項というものがあるならそれを信じるしかない、ということになるでしょう。しかし、買ってくれそうな会社、皆さんの会社を買って有効活用できそうな会社の情報は業界で長く活躍されてきた皆さん自身のほうがご存知のことが多いのです。ご自身で相手先を探し、リストアップをしておけば、何も専任契約でなければ受けないという条件を飲む必要はないはずです。

自社を売ろうとするのであれば、M&Aの実務が全体としてどうなっているのかについて、事前に情報を集める、相談できるプロを複数持っておくことが大切です。日本M&Aアドバイザー協会(https://www.jma-a.org/)では、M&A実務スキル養成講座および会員ネットワークを通じて、この解決策を2009年からご提供し続けています。

 

(2018年6月1日追記)

ここへ来て、他社は専任契約でないと売り案件を扱ってくれないが、貴社はどうか、というお問い合わせを多く受けています。他社のポリシーに口出しをする気はありませんが、本誌は専任契約を必ずしもご希望でない方とは非専任契約で業務を進めています。また、別途記事にまとめますが、売り手、買い手の方も準備が必要なこともたくさんあります。そして、まだまだ発展途上の日本のM&Aの業界でコストを払わずに必要な情報をとらないことは大変危険です。情報はタダではなく、タダより高いものはないということはあらためて認識をしておいてください。皆様が結果として損をされないように、適切な情報提供を続けてまいります。

M&Aにおける専任契約とは、売り手が選んだ1社とM&Aアドバイザー契約を締結すること。特に、売り手方が1社のM&Aアドバイザー、ファイナンシャルアドバイザーと契約をすることです。

メリットということで言いますと、アドバイザーとしては自分たちだけが契約を受けていますので、他のアドバイザーで売れてしまったということがないわけですね。結果として、アドバイザーのモチベーションが高まるということはあると思います。ただ、お客様にとってみると、複数のアドバイザーに依頼をすると、たくさんの情報をいろんなところに出さなくてはいけなくなってきます。そのアドバイザーから、さらにいろんな買い手候補のところに情報が回っていきますので、情報漏えいのリスクが高くなります。

「出回り案件のリスクの回避」とここは書いてあります。

買いたい会社さんがたくさんいらっしゃって、実際に何度も買収していたり、何度も買収しようとトライしているような会社さんは複数のアドバイザーと取引があります。そうすると、AというアドバイザーとBというアドバイザーから同じ案件が持ち込まれる、こういうような状態になることを出回り案件というふうに我々は言っています。出回り案件になると、買いの方はちょっと警戒するんですね。情報管理がきっちりできていないんじゃないかというようなこととか、それ他のアドバイザーからも聞いたんだけどさ…ということで、どうしてもネガティブな感覚を持つことが多いです。

したがって、売り手のアドバイザーを1社に絞っておけば、出回り案件になるような可能性もないですし、いろんなところに情報がばらまかれてしまって、自分の知らないところで情報が流れていってしまっているというような情報漏えいのリスクも低くなるというのはメリットの一つだと思います。

次にデメリットですが、専任契約は1社と契約をするということになっていますので、そのアドバイザーに能力がない、あるいは相性が悪い、アドバイザーはやはり得意不得意という分野がありますので、他の業種であればすごく得意なアドバイザーであっても、皆さんの会社を売ろうとした時に、その業種・業界にお客さんがいない。あるいは、その業界が得意ではないというアドバイザーに当たってしまうということはあると思うんですね。そういった時に、よそのアドバイザーに頼めないわけですよ。結果として売れなくなるか、あるいは売れるまでに時間がかかるというのがデメリットだと思います。

「専任契約というのはお客様のためか」というのが今日のテーマなんですけれども、アドバイザーとしての観点から言うと、自分たちの商売としては専任契約の方が望ましいです。他のアドバイザーに持っていかれるということがないので。ただ、お客様のことを考えると、少しでも選択肢を広げた方は買い手が見つかるチャンスが増えるので、専任でない方が望ましいことは間違いないと思います。我々は少しでも早くよい買い手候補をお客様にご紹介する、お客様に出会って頂くというところができれば、我々にもメリットがあると考えています。したがって、アドバイザーとしても、よい買い手候補を持っている、あるいは見つける自信があれば、専任契約にこだわる必要はないんですね。

例えばこういうケースがあります。

専任契約をうちとどうしても結ばせて下さいとお客さんにお願いするアドバイザーがいます。そのアドバイザーがうちとだけ契約を結んで下さいと言う根拠は、すぐにでも買いたいというお客さんが、うちにはいるんですというふうにセールストークをする場合があります。

しかし、それはよく考えると矛盾していて、専任契約を仮に取れなくても、よそとお客さんがアドバイザー契約をしてしまったとしても、本当にすぐに買いたい買い手候補がいるんであれば持っていけばいいんですよね。そしてすぐに契約してしまえばいいわけですので、自分たちのところと契約しないとすぐにでも買いたいというお客さんを紹介できないというのはちょっと変な話なわけです。

お客様のことを考えると、当社の場合は「2〜3社に絞って契約をして下さい」というふうにお願いをしています。できれば、当社1社なわけですけれども、なぜ2〜3社かというと、情報漏えいのリスクもありますので、5とか10とかいう業者と契約してしまうと、ご本人も情報管理ができなくなってしまうケースが多いんですね。なので、多くのアドバイザーに会って頂いて構いませんけれども、2〜3社に絞って頂いた方が情報の管理はしやすくなります。当然1社に任せるよりは、複数の会社に任せた方がよい買い手候補を探してくる可能性は上がってきますので、そういった事をお勧めしています。アドバイザー目線とすれば、いい買い手候補さんをご紹介できるという自信さえあれば、必ずしも専任契約にこだわる必要はないのかなと思います。結果として、これがお客様のメリットにもつながるんではないかというふうに考えています。

本日は以上です。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                     
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