情報を集めたあと、どうやってお金の知識を活かしていけばよいのか？例えば来年の６月にタヒチにいくのに３０万円必要だということが、情報を集め、旅行代理店で質問しまくって分かったとする。手元の余裕資金、つまり貯金は１円もない。そう、来年の６月までにいくらためればよいのか計算するのである。答えは簡単。目標の３０万円－０円＝３０万円だ。そう、来年の６月までに３０万円をためればよい。これで目標が明確になった。このように数値やお金で目標を明確にすることを、「目標の定量化」というが、あまり気にしなくてよい。話はそれるが、私が「キーワード症候群」と名づけている日本のサラリーマンの悪いクセがこれなのである。「ERP、ERM、ISO、SOX、MBA・・・・」なんとなく口走っていると利口になったような気になるキーワードである。それって何のことですか？今の議論と関係ありますか？なんて質問すると、多くの方は分かっていないことが多い。質問すればよいのである。エライ人が難しそうなことをいっているから、何となくすごそうだ、なんて思う必要はない。分からなければ質問すればよいのである。質問できなければ、グーグル、ヤフーで検索をすればよいのだ。この程度のキーワードであれば必要な情報はほとんどタダでとれる。これからは知っているか知らないかという差でお金はとれないのである。私が会計士を始めとするいわゆる「サムライビジネス」の将来が暗いと考えている点はここにある。「サムライビジネス」の何が稼ぎの元になっていたのかというと、それは「知っている」ことなのである。医師であれば、病気のこと、薬のこと、弁護士であれば法令のこと、裁判のこと、判例のこと、税理士であれば、税法のこと、申告のこと。一般人にはリーチできないことを知っているから、そういう経験があるから彼らは金を稼いでいたのだ。しかし、今では、そしてこれからは、これら士業の「センセイ」たちだけが持っていた情報の多くがインターネットに流れる。そして、ありふれた情報だけでは喰っていけなくなる時代がもうすぐ来る。もうひとつ、「センセイ」ビジネスが危ないのは、国家資格だからである。要するに規制産業なのである。規制をされているから、ビジネスを独占できる。医師だけが医療行為をしてもよい、弁護士だけは裁判をしてよい、税理士だけが税務申告業務をしてよい、会計士だけが監査をしてよい。これだからセンセイ方のメシのタネが尽きないのである。これが一歩崩れるとどうなるのか？例えば、サラ金。利息制限法と出資法の間の金利はずっとグレーゾーンと呼ばれていた。グレーなんだけれども、誰もが黙認しており、本来取れるはずのない金利をサラ金は債務者に課し、それで利益をあげていた。しかし、あるとき突然、グレーゾーン金利はやっぱりダメ、というお上の方針が決まった。その結果、サラ金会社のほとんどがとてつもない赤字に陥った。こんなことが「センセイ」たちに起こらないという保障はない。情報を抱えこみ、規制に守られているからこそ「センセイ」でいられたのだ、この前提が大きく崩れ始めていることにどれだけのセンセイが気付き、そして対策を打っているのか、おそらく大半のセンセイはその兆しには気づきつつも具体的な対策までは至っていないのではないだろう。

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