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キリンと機関投資家の差は、企業は永久に続くという前提があるかどうか。ターミナルバリューについてもついでに考えてみた。

キリンの機関投資家が、新規事業への投資を批判しているということです。簡単にいえばうまくいくかどうかわからない投資をするくらいなら、株主に還元しろ、ということでしょう。

この記事を読むとビール事業だけでは先行きが不透明なため、別事業を取り込んでいかないと企業が継続しないとするキリンと、これまでも新規事業はほとんどうまくいっていないのだから、やめとけ、という機関投資家の争いで、各々の立場からすると間違ったことをいっているわけではなく、まあ最終的にはプロキシーファイト、要するにどっちが多数決で勝つかどうか、ということになるしかないのだと思います。

この前提は、企業は永久に続くかどうか、ゴーイング・コンサーンの問題だと思います。会計の世界ではゴーイング・コンサーンが前提です。それは清算を前提にすると、バランスシートをすべて時価評価し、清算価値を出す必要がある一方、継続中の事業のバランスシートは、時価評価を全面的に採用しないという基本ルールがあるからです。

たしかに長年続く企業はありますが、その多くはビジネスの内訳を変えつつ生き残っています。ソニーも今ラジオで生きているわけではなく、エンターテイメント・金融などにビジネスをいれかえています。企業側からすれば、そうしないと生き残れないよ、という発想が正しいのです。

しかし、新規事業投資にリスクがあることはたしかです。

この解決法として、1つのビジネスが成功した場合、株主に一定額以上を配当などで配分し、いったんそのビジネスは精算してしまう。そして、新規事業をしたければ、あらたに資金を募るという方法が考えられます。手間はかかりますが、現代であれば可能でしょう。

私はゴーイング・コンサーンではなく、事業はプロジェクトとしてとらえ、その集合体が会社全体となると考えるべきだと今は考えています。そうすると企業価値を算定する際に、永久価値=ターミナルバリューを算定する、ということはナンセンスなのではないかとイメージしています。

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