企業再生って経営的には何をしているの?
もちろん、再生できるところは再生していただくのが一番ですけれども、再生と言いますが、企業再生は、経営的に、どういうことをするのでしょうか。一番、詳しいのではありませんか? 企業再生という言葉をよく聞きますが、最近、再生した企業というのはどこですか。JALは一つ再生した企業でしょうか。ほかに、皆さんの中のイメージでいいですけれども、「再生したよね」と思われる日本企業はありますか。これは死にかかった、または実際につぶれたけれど、今はちゃんとビジネスをやっていて、ちゃんと利益を出している。JALが典型です。ほかにありますか。ダイエーですか。
企業再生は、JALが一番いいと思うので、JALの例を取ってお話ししたいと思います。皆さんにとってもそれなりになじみがある会社だと思います。JALの再生というのはどういうふうにできたかというと、一つは間違いなく、借金棒引きです。借金を棒引きにしたのです。借金を棒引きにするというのは、金融機関があきらめたのです。ギブアップ。でも、金融機関はそう簡単にはあきらめさせられませんから、やはり法的整理です。裁判所が入って、「もう、これは返済できるわけがないですよ。いったん、この借金を棒引きにしましょう。配当はこれだけです」ということで、いったん借金を棒引きにしてしまいます。
ものすごい借金を抱えている会社で利益が大して出ないと、利息を払うだけで精いっぱいになってしまいます。それは、別にJALでなくても、町の中小企業でもそうですよね。利息を払っていて利益なりキャッシュ・フローがほとんど持っていかれてしまうみたいなことはよくあるわけです。ですから、あれだけ借金をしていると、利息がなくなるだけでもすごく大きいわけです。
よく考えてみてください。皆さんのお客さま、あるいは皆さんにも関わりがあるような企業の中で、借金がなくなったら意気揚々といけるような会社はいくらでもありますよね。さらにそれだけでは不十分なので、今まで散々やってきたからそれだけ借金を作ってしまって、借金を棒引きになってしまったわけですから、相当リストラもするわけです。人も減らさないといけないし、JALで言えば年金の費用もカットしなければいけないし、かなりコストカットをしています。それで、再生をやっていきます。
ですから、すごいスーパーコンサルタントが来て、売り上げを2倍にして会社を復活したなんていうことは、まずありません。一番初めにやるのは、借金の棒引きです。多くの場合、再生というのは、そういうものです。
金融機関と法的整理を使わずに私的整理をするということもあります。要は、このままつぶれてもらうよりは、例えば一部の事業を売るとか、工場の土地、不動産を売ってしまって債権者に一部でも配当したほうが、会社が今つぶれるよりはよほど回収できると金融機関が判断をすれば、それに応じてくれることがあります。あくまでも、ことがあります。そういうことを支援しているところが、例えば中小企業何々支援機構とか、CRCさんというところがやっています。
純粋にM&Aができるということになると、条件は結構簡単です。まず、利益が出ていることです。当たり前のことを言うようですが、ただ、利益を出している状態で売ろうと思う方は相当少ないです。自分が一生懸命頑張っていればいいわけなので、利益が出ていれば、売る必要はありませんから。これが一つの条件です。ですから、今の段階では利益が出ていないけれども売りたいと思われる方のほうが多いわけです。そうなると、M&Aができないケースのほうが多いですよね。
再生あるいは法的整理に持っていかないと商売にならないということと、あとはお客さまもにっちもさっちもいかないわけです。赤字をずっと垂れ流していてどこかかってくれる人がいればいいと言い続けていっても赤字は増えていくわけですから、どこかで資金ショートしてしまいます。再生なり、もっと悪い場合には整理、法的整理というところをセットで商売にしていく必要が、もしかするとあるかもしれません。
今はバラバラです。会社がどうにもならなくなったときに、どうするのかと。結局、つぶさなければどうにもならないとなると、たいていの場合は顧問の税理士先生に言って、顧問の税理士先生はできません。能力があるとかないということではなく、法的に弁護士でなければできないということです。たいてい、税理士の先生であれば何名か弁護士の先生をご存じでしょうから、そこから紹介された弁護士がはいって、なんとなく法的整理がされてしまうという状況があります。
本来的には、まずできる限りの再生の努力をして、それでも駄目だったら会社の整理を図るという形にしなければいけないのですけれども、そこが飛んでしまっているのが残念なところかなと思います。M&Aのイメージが良くならない理由の一つでもある気がします。
M&Aの業者に駆け込んだけれども、誰も相手にしてくれなくてつぶれてしまったと。それは、業者の問題ではなくておたくの問題だということが理解できないと、ネガティブなイメージというのは続いていってしまうかと思います。なんとかそれをポジティブに持っていかなければいけないかなというところです。
M&Aの内容に入っていきたいと思います。言葉として、売り手と買い手という言葉を使います。読んで字のごとくなので、そんなにご説明をさせていただかなくても大丈夫かなと思うのですが、売り手というのは売りたい人のことです。買い手というのは、買いたい人、会社のことです。ここに書いていないのですが、もう一つ、対象会社というのがあります。売り手というのは株主ですから、会社であったり個人であったりします。対象会社というのは、売り買いをする対象となる会社です。
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