高橋社長M&Aインタビュー
インタビュアー:
今日は、オフィス家具通販日本一のオフィスコムをオフィス家具大手のプラスに売却をされた高橋さんに体験談をお伺いします。
高橋さん、よろしくお願い致します。
高橋さん:
よろしくお願い致します。
インタビュアー:
それでは、まず売却に至った経緯を教えてください。
高橋さん:
オフィスコムは2007年3月に東京の江戸川区葛西のマンションの1室で、1人で開業した会社です。まず、オフィス家具のインターネット通販からはじめました。その後、業務を拡大していき、オフィス家具の製造や流通、物流、内装、電気工事など1社でオフィスのすべてを作れるような体制を作っていきました。
その中で物流のボリュームがドンドン増えていく中で、色々な産業としての歪みが出てきてしまいました。その歪みは、オフィス家具の品質の問題でした。最速で最安、しかもカッコイイオフィスを作ることを目的にビジネス展開をしてきたので、机も送料込みで5,980円程度の金額設定をしてきました。コストが安い分、品質に問題があったり、配送の問題が生じた結果、お客さまからお叱りをいただく時期がありました。当時は創業者として、大変苦しい思いをしました。その中、自分1人でビジネスを続けていくことには限界があると考え、オフィス家具の製造や物流の知見のあるプラスへM&Aをして、一緒に問題解決できるパートナーとなってほしいと考えました。
インタビュアー:
M&Aをしてよかったことを教えてください。
高橋さん:
オフィスコムは今年70億円程度の売上をあげています。私が経営していた頃と比べて2倍くらいに成長しています。成長速度が加速しており、従業員の雇用の安定も図ることができました。また、お取引先も安定して取引を継続していただいており、お客さまも安心してご利用いただけていることは非常に良かったことだと思います。
インタビュアー:
大手にグループインしてよかったことがたくさんあったということですね。次にM&Aをする際に困ったことを教えてください。
高橋さん:
会社としては、困ったことはありませんでした。しかし、創業者としては20年間ほど事業に注力してきましたので、それがM&Aによって全て無くなってしまう、それが自分の人生にどう影響するのか、という点については非常に悩みました。今後、自分がどういう人生を歩むべきかを決めるまで、苦しみましたし、悩みました。
今は、易者として大阪でやっていくことを決断できましたので、その悩みをクリアできましたが、決断をするまでは本当に苦しみました。
インタビュアー:
高橋さんは時間をかけて、M&A後の人生を決断されたわけですが、どうやってのそのような決断ができたのか、教えてください。
高橋さん:
退路を断つことと、日付を決めることが大切でした。いつまでに自分は会社を売却することを決めること、そして決めたことを自分自身で支持することが大切だと思います。しかし、思っていてもできないことはM&Aだけでなく、経営をしていく中では多いと思います。自分に自信がなければ、なかなか決断は難しいことでしょう。その自信は急につくものではないと思います。そうした自信は急に付くものではなく、日々の経験や勉強の積み重ねによって身につくものだと思います。
インタビュアー:
M&Aを成功させた今だから分かったM&Aにあたっての注意点を教えてください。
高橋さん:
経営者、創業者がいなくなっても事業継続ができていること、すなわち、権限委譲ができていること、そしてマネジメントルールができていることが最低限必要なことだと思います。
あとは財務諸表がシンプルなものであることも重要です。たとえば経営者の私的なものが含まれているのであれば、早めにとりのぞくことが必要です。
また、利益がどの程度出ているのかは、売却金額を決めるために重要な要素です。
この点、私は準備ができていたので、困りませんでした。
しかし、自分は育てたブランドが将来にわたっても成長したいと強く思っていましたので、その場合にはどういう相手と組むのがベストなのかをしっかりと考えることはとても重要だと思います。
インタビュアー:
これから売却を考える方へのメッセージをお願いします。
高橋さん:
1人で悩みを抱えずに信頼できる人に相談をすることが大切だと思います。経営者、創業者は苦しいです。1人で悩んで、命を絶った仲間もいました。しかし、あえていえば、気楽に考えることも重要だと思います。リラックスして、信頼できる方と相談してみてはどうかと思います。
私も大阪で今は易者として活動していますので、よろしければご相談にいらっしゃってください。
注:
高橋さんのお店はこちらです➝http://namboku.jp/