M&A News

M&Aニュース

利上げの負担は、物価を押し上げた企業だけにはかからない

利上げの負担は、物価を押し上げた企業だけにはかからない

日本経済新聞の10月29日付記事によると、米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を据え置きました。ただし、インフレへの警戒は続いており、追加利上げの可能性も残しています。

ここで考えたいのは、物価が上がる原因と、利上げの負担を受ける主体が必ずしも一致しないという構造です。

 

記事では、燃料価格の上昇に加え、AI投資に伴う半導体などの需要拡大が、物価を押し上げる要因として挙げられています。

しかし、金利を上げても、燃料や半導体の供給が直接増えるわけではありません。利上げは、借入コストを高め、企業の投資や家計の消費を抑えることで、需要側から物価上昇にブレーキをかけます。

 

住宅ローンの金利が上がれば、住宅購入を見送る人が増えます。設備投資の採算が合わなくなれば、工場の建設や店舗の出店が延期されます。こうして経済全体の支出を減らし、価格を引き上げにくい環境をつくるのが、利上げの主な作用です。

 

問題は、その効果が物価上昇の原因となった分野だけに集中するわけではないことです。

例えば、資金力のある大企業が、AI投資を将来の競争力に不可欠だと判断すれば、金利が上がっても投資を続ける可能性があります。一方で、借入への依存度が高く、利益率の低い企業は、わずかな金利上昇でも投資を断念せざるを得なくなります。

 

その場合、AI関連の需要が強いまま、別の分野の投資や家計の消費が先に減ることになります。物価を押し上げた主体よりも、金利上昇に耐えられない主体が先に支出を削るわけです。

さらに、供給力を増やすための投資まで抑えてしまう可能性もあります。目先の需要を減らす効果と、将来の供給拡大を遅らせる影響を、あわせて考える必要があります。

 

もちろん、だから利上げは不要だという話ではありません。特定の商品の値上がりが広範な価格転嫁に波及し、物価上昇が続くという予想が定着すれば、インフレは収まりにくくなります。それを防ぐために、需要全体を抑える必要が生じることはあります。

 

ただし、利上げは原因ごとに効き方を調整できる精密な道具ではありません。幅広い企業や家計に負担をかける政策です。

 

また、政策金利の据え置きは、資金調達の負担が増えないことを意味しません。企業の社債や住宅ローンなどの金利は、市場金利にも左右されます。FRBが動かなくても、長期金利が上がれば、企業や家計への引き締めは進みます。

 

したがって、「インフレ率が高いから、さらに利上げすべきだ」というだけでは、判断として不十分です。すでに上昇した金利が、誰の支出を減らし、どのように物価に作用しているかを見る必要があります。

 

物価を抑えることは重要です。しかし、そのために誰が投資を諦め、誰が消費を減らすのか。金融政策を評価するには、インフレ率だけでなく、物価抑制の効果と負担が生じる構造まで考えなければなりません。

大原達朗が行うBBT大学での講座
93%が満足と回答したファイナンスドリブンキャンプ
本講座では、短期間でCFO(最高財務責任者)への第1歩を踏み出すことを目指します。大量の決算書に触れ、大量にアウトプットし、大量のフィードバックを通してファイナンスという武器を手に入れられます。ブログでは話せない「ライブ講義」も充実しています。まずは無料説明会を受講してみて下さい。

本誌について
本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                     
M&A仲介・アドバイザーを事業としたい方・既にされている方へ
セミナー・サービス名詳細金額時間
誰にでもわかるM&A入門セミナー・会場開催の詳細とお申込み

・オンライン講座の視聴
無料2時間
M&A実務スキル養成講座・会場開催の詳細とお申込み

・オンライン開催の詳細とお申込み
・M&A実務スキルの詳細
198,000円2日間
JMAA認定M&Aアドイザー資格取得およびJMAA会員に入会・資格詳細とお申し込み入会金33,000円
月会費11,000円(1年分一括払)
-
案件サポート制度JMAA会員が初めてM&Aアドバイザリー業務に取り組む場合、あるいはすでに何度かアドバイザリー業務に経験があっても、難易度が高い案件の場合のための、JMAA協会が会員に伴走して案件成約に向けて協力する制度です。 お申し込みは当協会ご入会後にお知らせします。JMAA正会員の関与する対象案件の成功報酬の50%-
買収を検討されている企業団体様へ
セミナー・サービス名詳細金額時間
誰にでもわかるM&A入門セミナー・会場開催の詳細とお申込み

・オンライン講座の視聴
無料2時間
M&A実務スキル養成講座・会場開催の詳細とお申込み
・オンライン開催の詳細とお申込み

・M&A実務スキルの詳細
198,000円2日間
買い手様向けセカンドオピニオンサービス・M&Aセカンドオピニオンサービスの詳細 33,000円
追加相談サービス 33,000円/1時間
1時間〜
売却を検討されている企業団体様へ
セミナー・サービス名詳細金額時間
誰にでもわかるM&A入門セミナー・会場開催の詳細とお申込み

・オンライン講座の視聴
無料2時間
M&A実務スキル養成講座・会場開催の詳細とお申込み

・オンライン開催の詳細とお申込み

・M&A実務スキルの詳細
198,000円2日間
売り手様向けセカンドオピニオンサービス・M&Aセカンドオピニオンサービスの詳細 33,000円1時間〜

M&A実務を体系的に学びたい方は、M&A実務スキル養成講座


メルマガ登録はこちら
ファイナンスドリブンキャンプ
生成AIキャンプ

大原達朗の経営リテラシー-自ら考え、行動しよう-