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東京のITコンサルティング業から長野の建設会社の事業承継を受け、社長に就任された西澤社長インタビュー

今回は、東京のITコンサルティング業から長野の建設会社の事業承継を受け、社長就任をされた西澤社長インタビューをお送りします。
完全異業種から、地域も全く異なる事業承継にチャレンジされた西澤社長、そしてそれを受け入れた徳武会長には、何か大きな秘訣があるような気がします。そのあたりも含めて、インタビューを実施しました。

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大原:こんにちは。今日は 徳武建設西澤社長に事業承継M&Aについてお話を伺いたいと思います。西澤社長よろしくお願いします。

西澤社長:よろしくお願いします。

大原:まず始めに、現在どんな仕事をやられているのか、簡単にご説明頂けますでしょうか。

西澤社長:徳武建設株式会社(https://www.tokutake-kensetsu.co.jp/)という建設会社を長野県長野市でやっております。社員は13名ほどの、いわゆる地域の工務店という業態になります。社員の大工さんは6名抱える会社で、年間10棟ほどの施工をする会社です。地場の県産材を使った木のあたたかい家造りというのを特徴にさせてもらっています。

大原:ありがとうございます。
この徳武建設さんは、事業承継という形で社長になられたわけですが、それ以前はどんな仕事をやってらっしゃったのでしょうか。

西澤社長:東京でIT系のコンサルの仕事を10年ほどやっておりました。大手の企業さんのマーケティング支援ですとか、Webまわりのご支援ですとか、そういったものをやっておりました。そういった意味では、建設業というのは私にとっても初めてですので、素人が建設会社を事業承継したという形になっております。

大原:東京でIT系のコンサルタントをやってらっしゃった西澤社長が、長野で工務店の社長を引き継がれたというわけですね。かなり珍しいケースだと思うのですけれども、事業承継をされたきっかけについて教えて頂けますでしょうか。

西澤社長:はい。私は出身が長野県長野市なものですから、実家が農家の長男ということもありまして、いずれは戻りたいなという思いがありました。ただ、今自分が東京でしているビジネスをそのまま長野でおこなっていくというのは、なかなか難しいんじゃないかという思いがあって、であれば、既に事業を持っている企業様の引き継ぎをさせていただくというのも一つではないかというふうに思いまして、長野の事業引き継ぎ支援センターさんですとか、そういった仲介をされている事業さんにご相談をさせて頂いてというところがきっかけの一つになっています。

大原:初めて会われた時に、今の会長、元々のオーナーでいらっしゃったがどういう反応をされましたか?東京から来られた方で、しかも全く異業種の方が来られたわけですよね。その時のエピソードを教えていただけますか。

西澤社長:はい。会長としては、同業種の方は嫌だということを明確におっしゃっておりまして、異業種の新しい知見だとか、アイディアといったものをこの建設業に入れて欲しいという気持ちが大きかったというふうに聞いております。現場では設計をする者ですとか、大工さんですとか、プロフェッショナルな方が揃っておりますので、あとは次の世代に向けてどういった組み立てを考えていくか、その組み立てを考えられる人が欲しかったというようなことをお聞きしております。

大原:いわゆる中小企業のM&Aというのは、同業間が多いんですよね。その理由は、オーナー社長の力が非常に大きいケースが多くて、その方が抜けてしまうと商売にならないので、その方が抜けてもそこをフォローできる方というのは、同業の方、経験のある方じゃないと難しいというのがあるんじゃないかなと思います。社長は全く異業種から来てやってらっしゃっていて、実際に経営ができているわけじゃないですか。その要因といったようなものがあれば教えていただけますでしょうか。

西澤社長:今引き継いで半年程度ですので、自信があるかというとそうもいかないところもあるんですけれども、もともとマーケティング支援ですとか、Webマーケティングですとか、そういったものを専門としていたものですから、集客だとか営業という機能は、会社の中である一定部分の役割は果たせているのかなと。今まで徳武建設として取り組んでいなかったものにも少しずつ取り組み始めていますので、そういった意味では、業界未経験の私が入っていく役割がそこにあったというふうに考えています。

大原:そうですよね。長野の工務店という点でいうと、マーケティングとか、特にITという要素・ノウハウというのは少ないというケースが多いのではないかと思いますので、そこにある意味付加価値を加えるチャンスがあったということと、もう一つ大事なことというのは、オペレーションは回っているということなんじゃないかなと思うんですよね。社長が抜けても、普段の業務というのは完璧に近い形で現場で回っていると。ただそうは言っても、日本はだんだん人口が減ってきているわけなので、普通の会社は今までと同じように頑張っているだけだとだんだん業績が縮小してきてしまうというところがあって、新しい血が欲しいと、これはどこでも一緒だと思うんですけれども、西澤社長は受け入れる準備ができていたんじゃないかと思うんですね。日常のオペレーションが回っていないと、同業で経験のある方が来ないとにっちもさっちもいかないということが多いんじゃないかと思うんですが、徳武建設さんの場合はそうじゃなかったということですよね。

西澤社長:はい。本当にありがたいことに、会長の方が大工さんの若い方をきちんと前もって採用、育成しておいて頂いたという部分もありますし、既存のお客様との関係性というものも非常に良い形で引き継ぎをさせて頂いたというところからご紹介がもらえたりだとか、会社の基盤がきっちりとあったというところが、私が事業承継できた大きな理由だと思いますね。

大原:当然、前オーナーの会長も準備をきちんとされていて、異業種から来られた西澤社長に任せようと決断されたのには相当なご決心があったと思うんですけれども、逆に受けられる西澤社長も場所も違えば業種も違うというところでかなりな決断なわけじゃないですか。そこの、これはやってみようと決断された大きな要因はありますか。

西澤社長:やはり会長のお人柄ですね。そして、会長のお人柄にあった社員さんが集まって、真面目な家づくりを行っているということを肌身に感じられたというところが、私自身踏み込んでいけたきっかけだったと思っています。

大原:ある意味、とてもいい会社ですよね。トップの人格がすばらしくて、そこに人が集まってきてらっしゃるということと、日常のオペレーションがきちんと回っているということがはっきりしているので、ここに入っていっても大丈夫だなということが安心感につながったんじゃないかと思うんですよね。で、ここに入ったら付加価値が出せる。ITを使ったマーケティングなのか、営業なのか、そういったところで知見が生かせるというところがガッツリあったんじゃないかなというふうに感じるんですけれども、こういう話ってよくあると思うんですよね。ただ、できてるケースがすごく少なくて、僕の感覚ですと、受け入れる方の準備ができてない。第三者が入って経営していくためには、たぶん会社もすごく時間がかかったと思うんですよ。長いこと時間をかけて、おそらく財務も健全な状態に持ってこられたでしょうし、若い方からベテランの方まで大工さんを揃えるって、1年や2年でできることじゃないじゃないですか。ということをやられたというのが、大きな成功要因だったんじゃないかなと思うんですけれども、実際にやられてみていかがですか。

西澤社長:会社ですので、やっぱり全てが順風満帆をいうわけではないと思いますし、現場が動いていればいろんなことが起こってきますよね。私がこうやって小さな工務店に入らせていただいて、仕事としてやっていけるなと思う根拠のある会社だったというのが本当に大きいですね。おそらく会長にもオーナー社長ではあったんですけれども、会社というのは、地域から預かっているものだという認識が強かったと思うんですよね。私も本当にその考え方には賛同しますし、私もいずれ次の世代に経営を委ねていかなければいけないわけですし、そういった意味で次の世代へバトンを渡していくということではないかと思いますね。

大原:ありがとうございます。最後に、西澤社長は東京で仕事をしていらっしゃって、いつかは地元である長野に帰ってお仕事をされようということでこういう形になったわけですけれども、地方でビジネスをしようとか、会社をやってみよう、起業しようと思っている方へのメッセージがあれば、ぜひお願いします。

西澤社長:私もそうなんですけれども、地方で仕事をしようと思っていらっしゃる方はたくさんいらっしゃると思うんですね。ただ、それを1から全て自分の力でやってみようと思うと、やはりハードルが高いところがあると思うんですね。ですので、そういった方は他の会社を引き継ぎさせていただくということも、そんなに簡単ではないと思うんですけれども、選択肢として考えていただいてもいいのかなと思いますし、地域の会社さんの中には良い思いを持って、良い製品を持って、仕事をされている方がいらっしゃいますので、そういった方にあってみるというのも一つ選択肢をしてあるのかなというふうに思っていますね。ですから、これから地域で第三者承継をしていくという形が少しでも増えていけば、これからの人口縮小社会の中で良い形で世代をつないでいくということが起こっていくんじゃないかなというふうに思っていますね。

大原:はい、ありがとうございます。でもこのチャンスをつかむまでに、西澤社長は相当動かれたんですよね。

西澤社長:そうですね。かなり時間は使いましたね。

大原:社長はかなりいろんなM&Aの仲介会社ですとか、事業承継支援センターとかに足繁く通われて、いろんなビジネスを探されたということなので、実際に決めたら動くと。で、あってお話を伺ってみると。こういった実践も大きなポイントなのかなと思います。

今日は西澤社長、本当にありがとうございました。

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