江守グループHDの中国子会社で架空売上計上の疑いがあると報道されている。以下リンクによると中国子会社で中国企業との架空の取引があったようだ。

一般論としていうと海外取引は、不正会計に利用されやすい。日本からの目が届きにくく、商慣習も異なるからだ。

この背景として、企業の海外進出は進んでいるものの、海外企業と直接取引している企業は極わずか、とうことを知っておく必要がある。

海外企業、または個人を直接取引先としているのは、例えばトヨタなどの自動車メーカーだ。彼らは現地のメーカーと資本提携をし、現地企業とも代理店契約をし、エンドユーザーとしての現地人、現地企業と取引をしている。そこには不正防止などの万全の対策をしているはずだ。もちろん、進出のプロセスでは何度か痛い眼にもあい、その反省を生かしつつ現在があると言っていいだろう。

そして、例えばトヨタが中国企業へ進出すれば、部品メーカー、商社などがまとめて中国に進出することになる。そうしなければ、彼らの食い扶持を稼げないからだ。こうして日本企業の海外進出が進んでいるわけだが、海外に進出しても、その取引先のほとんどは日系企業ということも多い。

そんな中で、ローカル企業と直接取引をすること自体が想像しているより難しいわけだ。したがって、海外ローカル企業といきなり取引が増え、売上が増えているという時点でやや？と付ける必要がある。

ここで気をつけなければいけないのは、英語以外の現地語でしか契約書やその他書面を取り交わしていないケースだ。現地担当者はそれで本社の監視の眼をくぐろうとする。また、バックリベートを弾むことにより、口裏をあわせるということも十分に考えられる。

ローカル企業との取引が増えることは間違いなくよいことだが、それが容易でないこと、そして、不正に使われやすいということを認識する必要がある。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

売掛金めぐり架空売り上げ計上か　江守グループＨＤの中国子会社　経済　福井のニュース ｜福井新聞ONLINE：福井県の総合ニュースサイト http://t.co/zxiwPtaqRh

2015/02/17 17:20:50

 

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。