M&Aのハウツー

mixiが売却先を探しているそうだが、周りはどうみているのか?

身売りの噂が絶えないmixiについて、現状と今後の見通しを客観的に考えてみたい。

new_mixi_logo

まずは最近の状況を確認しておく。

財務ハイライト(連結)

http://mixi.co.jp/ir/docs/highlights/

売上が130億円程度で横ばい、純資産147億円、フリー・キャッシュ・フローがマイナス20億円。フリー・キャッシュ・フローは気になるので、以下で内容を確認しておく。

平成24年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=974075

ちなみに上記によると、平成25年3月期の見込みは以下のとおり。

単位:百万円

売上   14,500~15,500

営業利益   2,200~2,800

経常利益   2,200~2,800

当期純利益  1,300~1,650

フリー・キャッシュ・フローを営業CF+投資CFで算定しているようだが、上記のP.17連結CFをみると、投資CFで定期預金積立で10億円、投資有価証券取得で2億円、連結範囲の変更を伴う子会社の取得売却で7億円くらいの支出がある。これは余剰資金を運用している部分等があり、実際には、mixiのビジネスを継続するための、投資CFは設備投資の約9億円に少し加えて10億円程度みておけばよいだろう。

営業CFは売上債権の増加でかなり悪化しているが、これについてははっきりした理由は開示資料ではわからない。後述するように売上割合が課金収入に移行しており、そのことにより支払、回収期間が変わってきている影響によるのではないか。したがって、この傾向によって営業CFが大幅に悪化し続けることはないものとしておく。

これを前提に、前期実績で考えると営業利益20億円程度、大幅増益もなさそうなので、減価償却を6-7億円程度見込み、税金負担等を考慮し、15億円から20億円程度の営業CFを見込んでおいてよいだろう。問題は今後だが、大幅な増益は難しいとみて、しばらくこのレベルの収支を見込んでおく。理由は売上高は維持しているものの、内訳が広告売上から課金売上(ゲーム等の販売であろう)に移行し、後者の利益率がかなりの決済手数料がかかっており、前者と比較してかなり悪いからだ。今後、スマフォのゲームなどへ移行が進めば、課金売上の割合が増加し、結果として、より利益率は悪化するはずだ。これを含め、当面の営業CFを15億円程度とみると、これから投資CF10億円を控除、フリー・キャッシュ・フローは5億円程度となる。
 

一方で2012年10月12日9時の時価総額は約210億円。手元のキャッシュが100億円程度あり、有利子負債がないことを考慮すると、mixiの事業価値は110億円程度。年間フリー・キャッシュ・フロー5億円で考えると割引前で20年以上回収にかかる計算となる。今後、爆発的に利益を稼ぐ具体的な施策がみえないいま、かなり割高といえるだろう。mixi買収を考えている企業もあると思うが、この株価水準では高すぎて、手を出せず、株価が落ちることを待っている状況であると推測する。

ヤフーファイナンス mixi

http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=2121.T

 

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                                                                  
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