M&Aのハウツー

地域別M&Aの状況

今日は、「地域別M&Aの状況」というテーマで、国内のM&Aの状況についてお話を進めていきたいと思います。

まず買い手ですが、圧倒的に東京に集中しています。東京、大阪、愛知、神奈川、兵庫、福岡、北海道、静岡、京都、千葉、埼玉、宮城、広島、新潟、岐阜という順番です。2013年のデータになります。

次に売り手です。こちらも東京に集中していますが、買い手ほど集中していません。746件の売り実績です。買い手は1,000件以上が東京に集中していましたが、買い手ほどは東京に集中はしていません。
たとえば北海道のように、道内だけのビジネスでは先行きが不透明なため、本州との連携を考える必要があるなどの事情があるため、単純に経済の大きさだけで順位が決まっているわけではありません。買い手は東京、大阪、神奈川、北海道、愛知、埼玉、福岡、静岡、千葉、兵庫、広島、新潟、京都、長野、熊本といった順序になります。

具体的にどんな企業が地域別でM&Aを実行したのかは、以下のリストのとおりです。

地域 買収を実践した企業例
東京 キューピー、新日鉄住金、日本電工、東芝、三菱電機、安川電機、キングジム、損害保険ジャパン、味の素、サントリー食品、LIXIL、NEC、健康コーポレーション
大阪 小林製薬、パナソニック、住友電気工業、オージック、ナカバヤシ、モリシタ化学産業、櫻島埠頭、ニプロ
愛知 トヨタ、豊田通商、ゲオホールディングス、カゴメ、サガミチェーン、美濃窯業(合併)、
神奈川 日立情報通信エンジニアリング、電子技研工業、イノテック
兵庫 ダンロップスポーツ、スギモト、第一交通、シスメックス
福岡 ダリア、大信薬局、福岡第一交通
北海道 ツルハホールディングス、ホーブ、キメラ、片桐機械、オストジャパングループ(TOB)
静岡 ヤマハ、静岡ガス、協立電機、コロナ工業、ムカイ

東京では誰もが知っている会社がほとんどです。中でもLIXEL(リクシル)はM&Aでできた会社ですし、健康コーポレーションはM&Aを有効活用し、業績拡大をしている上場企業になります。

 

地域 買収を実践した企業例
京都 日本電産、GSユアサ、京セラ、フジックス、村田製作所、堀場製作所、イシダ
千葉 イオン、マツモトキヨシホールディングス、キヨシゲイワブチ、精工技研
埼玉 富士薬品、リズム時計工業、桧家ホームズ、ベルーナ、東ア
宮城 ホットランド、やまや、高速、カメイ、エムケーコーポレーション、ジーテクト
広島 広島マツダ、リョービ、テラル、寺岡、豊国ビジネスワークス
新潟 亀田製菓、ハードオフコーポレーション、日精メタルワークス
岐阜 バロー、中部クリーン、早川精機工業(合併)

大阪ではパナソニックの存在が大きいです。愛知はトヨタ、豊田通商のトヨタグループ。ゲオのような店舗拡大をM&Aで実現しようとしている業態になります。

北海道のツルハホールディングスはドラッグストア、調剤薬局というM&Aが最も激しい領域のビジネスをされており、その中でも積極的にM&Aをビジネス展開されています。

京都の日本電産はいわずと知れた日本のM&Aのチャンピオンです。

千葉のイオンもダイエーを傘下にいれるなど、M&Aに積極的な企業です。マツモトキヨシホールディングス、いわゆるマツキヨもドラッグストア、調剤薬局をビジネスとしており、M&Aに積極的な企業です。

新潟のハードコーポーレーションも店舗を増やすためにM&Aに力をいれる必要がある業種です。

売り手についてはリストのとおりです。

地域 売却を実践した企業例
東京 ジャパンポテト、ライフサポート、ジェイ・パワーシステムズ横川電機(事業譲渡)、サイバーエージェントFX(事業譲渡)ウィルコム(合併)
大阪 イセキテック、五十鈴ゴム、ミクニペイント、浪速建設運輸フューチャー・コミュニケーションズ
神奈川 ネオシステム、サッソー、JFEテクノス(グループ内)
北海道 レンテック、三京ビルマネジメント、北海道システムサイエンス、北栄鉄工
愛知 中部食糧、イトー急行、美濃窯業陶製(合併)、オルガノ中部(合併)
埼玉 ジャパンロードサービス、飯野ホールディングス
福岡 くすりの鶴美堂、長住タクシー、オルガノ九州(合併)
静岡 御殿場ガス、不二電子工業、カナサシ重工、米久(TOB)、静岡調剤(合併)

静岡の御殿場ガスですが、ガス関係の会社もまとめて顧客を獲得するために、M&Aを積極的に活用している業種です。

京都のニッセンホールディングスについては、セブンアンドアイホールディングスが買収しています。リアル店舗のビジネスをしているセブンアンドアイホールディングスが通販のニッセンを買い、多角化戦略の実例といってよいでしょう。

地域 売却を実践した企業例
千葉 大田工業、日立粉末治金(合併)、イオンリテール・未来屋書店(グループ内)
兵庫 名神タクシー、ジェイビーエス、アレクソン
広島 山陽空調工業、アヲハタ(TOB)、福屋、山陽リトレッド(合併)
新潟 中央電気工業、中央電気工業、パワーズフジミ、
京都 ニッセンホールディングス(TOB)
長野 ナガノトマト、リバーセイコー
熊本 高村商事、エーザイ生科研、アデル・カーズ

まとめると、売り手、買い手とも東京一極集中ではありますが、売り手は、その集中度合いが少なく、これは東京から魅力的な案件があれば全国の企業を対象に買収をしていくという考えの現れとみてよく、今後もその流れが続いていくとみてよいと思います。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                                                                  
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